Apple Watchの独立性が少し後退?
Apple Watchにも「Apple Intelligence」がやって来る?ただしAI処理はiPhone頼りか

次期iOS 19やiPadOS 19は、デザインが全面的に刷新されるほか、数々の機能が追加されるとみられている。その一方で、次期watchOS 12にも「Apple Intelligence」関連の新要素が登場すると、著名ジャーナリストが予想している。
アップルの内部情報に詳しいBloombergのMark Gurman記者は、最近のニュースレター「Power On」最新号にて、次期システムソフトウェアに関する見通しを述べている。そこでは、iPadOS 19が「macOSに近づく」とのニュースも含まれていた。
さらにGurman氏はwatchOS 12についても言及し、アップルが一部の機能を「Apple Intelligenceにより駆動」としてブランド展開する予定であると述べている。
ただし、Apple Watch本体が実際にAIモデルを直接実行するわけではないという。つまり、一部の処理はiPhoneにオフロードされ、iPhoneが代わりに実行する形式になるようだ。
2015年に発売された初代Apple Watchは、GPS機能をはじめ多くの機能をiPhoneに依存しており、ランニング時のコース記録にもiPhoneを持ち歩く必要があった。それ以降は徐々に依存度が低下してきたが、watchOS 12ではその流れがやや逆行することになる。
Apple Watchのハードウェア的制約を踏まえると、このアプローチは理にかなっている。実際にwatchOS 11でもApple Intelligenceによる「通知の要約」や「さまたげ低減」(集中モードの一機能)の表示に対応しており、処理自体はAI対応のiPhone側で行われる体裁となっている。ただし、Apple Watch側でまったく処理を行っていないという明確な証拠は存在しない。
イスラエルのテック系サイトThe Verifierが、「アップルがApple Watch Ultra向けにApple Intelligenceを開発中」と報じた件については、チップ性能やRAMの制限から非現実的との指摘もある。しかし、「iPhone側でAI処理を実行し、その結果だけをApple Watchに送信する」という方式であれば、実現する可能性は十分に高そうだ。