トランプ関税がPS5の値上げに影響した可能性も
Nintendo Switch 2に145%関税の危機。米国で値上げの可能性も

米トランプ政権は、中国からの輸入に対して145%の関税を課す一方で、スマートフォンやノートPCなど一部の電子機器は一時的に免除対象としている。しかし、ゲーム機はその免除リストに含まれておらず、関税が課される可能性が高いと見られている。
こうした状況のなか、アップルおよび任天堂の大手サプライヤーの一社が、Nintendo Switch 2(以下、スイッチ2)の輸入には実際に145%の関税が適用されるため、大打撃を覚悟すべきであると社内向けに警告していると、Nikkei Asia(日経新聞の英語メディア)が報じている。
当初、任天堂はスイッチ2の米国における予約開始日を4月9日としていたが、トランプ政権が相互関税を発表したことを受け、無期限の延期に踏み切った。同社は6月5日の発売日については変更しない姿勢を明確にする一方で、「新たな関税政策の影響を評価するため」として、値上げの可能性を示唆している。
日経によれば、スイッチ2の大部分は中国で製造されており、ベトナム製は「比較的少ない」という。任天堂はベトナムでの全製造能力を米国向けに集中させ、今後3か月(相互関税の猶予期間)で最大限の出荷を目指すとBloombergは報じていた。しかし、現状では中国での生産を完全に置き換えるには至っていないようだ。
米任天堂のダグ・バウザー社長は、米CNBCのインタビューにおいて、すでにスイッチ2の在庫を「グローバルベースで」蓄積しており、その一部はすでに米国に到着していると述べている。ただし、需要を満たせるだけの在庫かと問われると、「それはまだ分からないが、確かに我々の目標である」と付け加えていた。
ソニーは13日にイギリスやEUなどでPS5の値上げを発表し、「高いインフレと為替レートの変動を含む厳しい経済環境」が理由であると説明しつつ、米国の相互関税には言及していない。ただし、最近ポンドやユーロが下落している事実はないため、トランプ関税の影響があるのではないかと指摘するメディアもある。
今月初め、米国のビデオゲーム業界団体ESAは、トランプ大統領が課した関税がゲーム業界に「現実的かつ有害な影響」を与えるだろうと警告していた。任天堂にとって、スイッチ2の普及を大きく左右する重要なローンチ時期にあたるだけに、いかに値上げを抑えるか、戦略の練り直しを迫られている可能性が高い。
- Source: Nikkei Asia
- via: BGR