追従するメーカーも出てくる?
トランプ関税により米国でのノートPC販売を取りやめる企業が出始める

トランプ大統領が肝いりで押し進める関税政策は、自身が主張する「貿易で米国が損をしている」ことの解消と、関税で増えた国家収入で財政赤字を削減すること、そして外交的な圧力としての利用が主な目的と言われている。しかし、そのせいでPCメーカーのなかには米国でのノートPC販売を控えるところが出てきている。
トランプ大統領の相互関税を理由に、米国での一部ノートPC販売を取りやめると発表したのは、Frameworkと称するサンフランシスコ拠点の米国PCメーカーだ。米国企業なのになぜトランプ関税の影響を受けるのかと言えば、PCメーカーの多くが、チップや基板といったパーツの生産において台湾などの企業と提携しているからだ。
Frameworkの場合は台湾のCompal Electronicsが生産を受け持っている。Compalは、PCメーカーとしてはほかにDELLやAcerなどと協力関係を持ち、東芝とは特にテレビ製品の製造で縁が深い。
そして、Frameworkによると、現在の米国におけるノートPCの販売価格は、台湾からの輸入関税が0%だったときに設定したものだという。そのため、トランプ大統領による基本関税によってそれが10%に引き上げられただけで、最も安価な製品などは赤字販売になってしまうとのことだ。
すでに、FrameworkはIntel Ultra 5 125HまたはAMD Ryzen 5 7640Uを搭載する13インチノートPC(価格はそれぞれ899ドルと999ドル)の販売を停止し、ウェブサイトからも削除した。
今週水曜日に予定される相互関税の導入により、台湾から米国への輸入品関税率は32%に跳ね上がる。今後Frameworkがさらに製品の販売を取りやめるのか、税率分を価格に上乗せするのかについてはまだ明らかにされていない。同社は、ライバルのPCメーカーもトランプの関税に対抗して同様の措置を講じていると主張した。
DELLやHPといった大手PCメーカーはいまのところ価格については動きを見せていないが、PCの大部分の部品はアジア諸国で生産される輸入品であり、関税の影響は免れないだろう。
PCではないものの、任天堂は関税の影響を見極めるため、次世代ゲーム機Nintendo Switch 2の米国での予約受付開始を延期している。任天堂はSwitchや周辺機器の多くをカンボジアやベトナムで製造しているが、両国には49%と46%という非常に高い税率が設定された。もし、それが単純に価格に転嫁された場合、当初449.99ドルと発表されたSwitch 2の米国での価格は、600ドル台後半ぐらいにまで跳ね上がると考えられる。
- Source: Framework(X)
- via: The Verge PCMag