Moto-Eのバイクを作っていたメーカーです
電動バイクメーカーEnergica、会社一式が“ブガッティ1台より安い売り出し価格”で競売に

電動バイクレースMoto-Eにワンメイクで車両を供給するなどして知名度も高かったイタリアの高性能電動バイクメーカーEnergicaは、知名度に見合った収益性を得ることができず、数年間続いた財政難の末に昨年秋、破産手続きを開始していた。
現在、Energicaは会社の資産や知財一式、さらには未完成の試作バイクまでも含む全資産が、競売に出されている。
一時期は続々と電動バイクを専門とする企業が現れ、エンジン搭載車よりも機敏で、排気ガスも出ないなどの利点で電気自動車よりも早く市場に浸透するのではと思われた。だが、ここ数年だけでも、いずれも魅力的な電動バイクを製造していたにもかかわらずMission Motorcycles、Brammo、Altaといった電動バイクメーカーが事業を継続できなくなり姿を消している。
電動バイク業界でもトップクラスの知名度と実績を持つEnergicaも、華やかに見えた活動とは裏腹に、市場から十分な収益を確保することができず、新たな投資家・投資会社を見つけることもできなかった結果、債権の返済も困難になり、破産に至ってしまった。
現在、Energicaの知的財産を含むすべての資産が、イタリアの裁判所によって競売にかけられている。
Energicaの出品リストには、ファニチャー類やPC、プリンターといったIT機器など一般的なオフィス用品のほかに、バイク用のテストベンチ、金属部品用レーザーマーカー、ホイールアライメントツール、トルク調整用の機器、油圧プレスなど、バイクの生産やメンテナンスに必要な機材などもリストアップされている。もちろん、生産済みの各種電動バイクもたくさんあり、なかには「Polizia」と書かれた警察向け車両も含まれている。

イタリア政府は、入札者に350万ドルから入札するよう求めている。最低落札価格は465万ドルだ。これは、ブガッティの高級スポーツカー、シロンの2024年型の価格約500万ドルを下回る破格の値段だ。だがそれでも、この記事執筆時点ではまだ買い手は現れていない模様だ。
もし、十分な資産が手元にあり、電動バイクメーカーを持ちたいと思うなら、いまがチャンスかもしれない。
- Source: Portale delle Vendite Pubbliche
- via: New Atlas