イーロン・マスクを痛烈に批判
カナダ・オンタリオ州、スターリンク契約破棄を表明。トランプ政権の25%関税を受け
カナダ東部オンタリオ州のダグ・フォード首相は、米トランプ大統領が同国からの輸入品ほぼ全てに25%の関税を課すと発表した直後、実業家イーロン・マスク氏が率いるスペースXによる衛星通信網「スターリンク」に関する契約を破棄すると表明した。かつてフォード氏は、トランプ氏の熱烈な支持者だった。
その後、米政府がカナダへの25%関税の発動を30日間停止したことを受けて、オンタリオ州も「報復措置」を停止すると述べている。スターリンクに言及していないが、もし関税が課される場合は「州の調達先から米企業を排除することを躊躇わないだろう」とのことで、破棄を停止すると示唆しているようだ。
昨年11月にオンタリオ州は、2025年6月から地方や遠隔地コミュニティに高速衛星インターネットアクセスを提供すべくスターリンク社(SpaceXの子会社)と約1億カナダドルの契約を締結していた。だが、トランプ政権の25%関税に対して、フォード氏は「米国の関税が撤廃されるまで、米企業による州との契約を禁じる」とXで発表したしだいだ。
数ある米企業のなかでも、フォード氏は「スターリンクの州との契約を破棄するつもりだ」と名指ししている。「オンタリオ州は、我々の経済を破壊しようと躍起になっている人々とは取引しない」とのことだ。
スターリンクのCEOでもあるマスク氏は、世界一の富豪にしてトランプ大統領の腹心であり、政府支出の管理と効率化をめざす「政府効率化省(DOGE)」を統括している。マスク氏は選挙で選ばれたわけではないが、米財務省の支払いシステムにアクセスが許可されており、実質的にトランプ政権の中核メンバーである。
フォード首相は関税が一時停止される前の記者会見で、マスク氏が「家族や収入、ビジネスを破壊したいと望むトランプチームの一員」であり「勤勉な人々の食卓から食べ物を奪いたいと思っている。私はそれを許すつもりはない」と述べていた。
このフォード氏の声明を受けて、マスク氏はXに「まあいいや」と反応していた。
トランプ政権は中国に対しても、10%の追加関税を課す予定である。中国はマスク氏がCEO兼CTOを務めるテスラにとって世界最大のEV市場の1つであり、主要な生産拠点でもあるが、もしも報復措置を課された場合でも「まあいいや」で受け流せるのか興味深いところだ。
- Source: Doug Ford(X)(1) (2)
- via: Engadget