翌々年には液晶ディスプレイを改良?

有機EL版MacBook Air、2029年まで発売延期? iPad Proの不人気が理由か

Image:thinkhuong/Shutterstock.com

アップルは長期的に、画面付き製品を液晶から有機ELに移行させる見通しだ。その1つである有機EL版MacBook Airの発売は、当初予定されていた2027年から、2029年頃にずれ込む可能性が高いと韓国サプライチェーン筋が報じている。

これは韓国の業界誌The Elecが、業界筋の話として伝えていることだ。有機EL版MacBook Airの発売が延期される理由は、昨年発売された有機EL版iPad Proの販売が低迷しているためだという。

アップルは2024年内のiPad Pro販売目標を1000万台に設定していたが、実際の販売台数はわずか600万台だったとのこと。液晶から有機ELへの変更により、価格が大幅に上がったことがネックだったと見られている。

タンデムOLED(発光層が2つある)を初採用したM4搭載iPad Proは、当初こそ好調な滑り出しを見せたが、数か月で販売ペースが急激に落ち込んでいた。特に13インチモデルは1299ドル~となり、1000ドルを大きく超えたことが売上に響いたようだ。

以前、The Elecは有機EL版MacBook Airの開発が遅れている理由として、価格の高騰とサプライチェーンとの交渉が難航しているためと報じていた。iPad Proの販売不振から、アップルの立場も弱くなっているのかもしれない。

今後4年間、MacBook Airは液晶技術を採用し続けるようだ。The Elecによると、2027年モデルには「酸化物TFT(薄膜トランジスタ)」技術を採用する予定とのこと。従来のアモルファスシリコン(a-Si)TFTよりも電子移動速度が高いため、より高速な駆動が可能となる。要は、日本のシャープが使う「IGZO」である

これにより色精度やコントラスト比の向上、より均一なディスプレイ輝度、そして消費電力の低減によるバッテリー持ちの改善が期待できる。すでに以前のMacBook Proや12.9インチiPad Airにも採用されており、MacBook Airへの展開も順当だろう。

M4搭載の次期MacBook Airは、今後2か月以内に発売される可能性が高い。新型チップのほか超広角カメラ搭載でセンターフレーム対応なども噂されており、ビデオ会議にも使いやすいデバイスとなりそうだ。

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