日本でも出る?
レノボが「画面の伸びるノートPC」発売。約3500ドル
レノボは、OLEDディスプレイが縦に伸びるノートPC「ThinkBook Plus Gen 6 Rollable AI PC」を、3499ドルで 2025年第1四半期に発売する。
ここ数年、一般的なノートPCのディスプレイ解像度は1980×1080px(フルHD)で、アスペクト比は16:9となっている。これはテレビ放送や多くのストリーミング動画サービスには適したアスペクト比だが、その一方で、PCで作業を行うには縦方向の長さが物足りない。
多少、値は張るものの、上位の機種には1920×1200px、アスペクト比16:10のディスプレイを搭載するものや、より解像度が高いディスプレイを採用する機種もあるため、よりPC作業における快適性を重視するユーザーは、買い換えの際にこうした違いを考慮していることだろう。
しかし、ThinkBook Plus Gen 6 Rollableは、最初に定められたディスプレイ解像度から自分に適したものを選ぶのではなく、必要に応じてディスプレイの方を変形させることができる、非常に奇抜なノートPCだ。
このPCは、普通に天板を持ち上げた状態では14インチ小さなディスプレイを備えたノートPCにしか見えない。ただ、その時点で解像度は2000×1600pxもあり、一般的なノートPCのディスプレイよりもかなり縦方向のピクセル数が高くなっている。
そしてさらに、専用のキーを押す(またはウェブカメラを用いたジェスチャーコントロールを使う)と、内蔵モーターによってディスプレイがベゼルごと上方向に伸び、最終的に16.7インチ、2000×2350pxにまで画面が伸展する。これはもはや形状的に縦長になっており(物理的な画面サイズに問題がなければ)、シート1枚に複雑な計算表を作っている表計算や、用紙全面を表示して作業したいワープロや、DTP用途などにも重宝されるかもしれない。
レノボはこのディスプレイのためにThinkBook Workspaceアプリケーションを用意している、このアプリは、拡張された画面領域にToDo リストなどのウィジェットをピン留め表示したり、仮想ディスプレイ(OS が別のモニターであると認識するウィンドウ)として実行させたりすることが可能だ。
なお、物理的に可動する部品が増えると耐久性への不安が増すものだが、レノボによると、ディスプレイまわりは徹底的なテストが行われており、3万回のヒンジ開閉、2万回のディスプレイ伸展および収納に耐える設計になっているとのこと。またディスプレイそのものは最大輝度400ニト、120Hz駆動、 色域はDCI-P3カバー率100%をうたっている。
ディスプレイ以外の部分で言えば、ThinkBook Plus Gen 6 Rollableは厚さ19.9 mmの薄型モバイルノートと呼んで差し支えないものとなっている。主な仕様的としてはインテルの第2世代Core Ultra 7(Series 2)、1TB SSD、32GB RAM(DDR5x)を搭載し、2つのThunderbolt 4端子、3.5mmヘッドホンジャックを備えている。ほかWi-Fi 7に対応し、本体大きさは303×230×19.9mm、重さは約1.7kgとなっている
ちなみに、ディスプレイが特殊だからなのか、このPCは外部ディスプレイに接続するためのHDMI出力を搭載していない。そのため、会議や研究発表などのプレゼンテーションには使うことができない。また折りたたみ式ディスプレイでもそうだが、稼働する部分のディスプレイ領域はどうしても完全にフラットにはならず、表面が若干波打っている(折りたたみ式ディスプレイに比べれば目立たない)。照明の反射などでそれが強調されてしまうのが気に入らない人もいるかもしれない。
まだ荒削りなところはあるが、ノートPCの可搬性と同時に縦に広い画面での作業性を手に入れることに大きな魅力を感じる人なら、それを3500ドル(約55万円)という価格と天秤にかけて、購入を検討するのも良いかもしれない。ただし、まだ日本での発売はアナウンスされていない。
- Source: Lenovo