期待値の高さと現実とのギャップ?
Apple Intelligenceユーザー、7割以上が「AI機能はあまり価値がない」と回答
アップルが新たなAI機能「Apple Intelligence」をiPhone販売促進の切り札とみているのは、iOS 18.2 でさらなる強化を打ち出したことでも明らかだ。だがiPhoneユーザーは、少なくとも初期の機能にはほとんど価値を認めていないとのアンケート結果が発表された。
もっともAI機能の人気薄はアップルに限ったことではなく、サムスン製スマートフォンのユーザーが価値を見出す比率はさらに低くなっている。
スマホ下取り価格比較サイトSellCellは、アップルとサムスン製のAI対応スマホを所有しているユーザーを対象に、AI機能に関するアンケートを実施した。iPhoneは15 Proおよび16シリーズ全モデル、サムスン製はGalaxy S22シリーズやGalaxy Z Flip4/Z Fold4以降が該当する。
iPhoneユーザーのほぼ半数(47.6%)が、新型スマホを購入する際の決め手としてAI機能を「非常に」または「ある程度」重視していると回答。それに対してサムスンユーザーは、23.7%に留まっている。つまり、前者はAI機能を求める傾向にあるということだ。
しかし、Apple Intelligence(利用可能なモデル)ユーザーの73%、Galaxy AIユーザーの87%が、新機能を「あまり価値がない」または「スマホ体験にほとんど価値をもたらしてない」と回答。AIへの期待と、現時点での機能の間で落差が大きいことを示しているのだろう。
また調査結果では、iOS 18.1までに提供されたApple Intelligence機能の人気度もランク付けされている。
- 作文ツール(72%)
- 通知の要約(54%)
- 優先メッセージ(44.5%)
- 写真のクリーンアップ(29.1%)
- メールとメッセージのスマート返信(20.9%)
さらにiPhone AIユーザーの6分の1以上が、Galaxy AIの機能が大幅に向上すれば、サムスンへの乗り換えを検討すると回答している。やはり一定の比率で、AI機能に大きな期待をかけている層は存在しているようだ。
だが、今回の調査はiOS 18.2リリース前に行われたものだ。あくまで、それ以前のAI機能への失望を反映した結果にすぎず、GenmojiやChatGPT統合が状況を大きく変える可能性はある。
Genmojiは、「絵文字」と「AI生成」という2つのフレーズをかけ合わせたものだ。絵文字キーボードに説明を入力すると、複数の候補から選ぶ形でオリジナルの絵文字が作成できる。
そして以前は、「特定の質問はSiriで、答えられないものはChatGPT」と振り分けされていた。これがiOS 18.2以降は、Siriに「ChatGPTに質問」とリクエストすると、自動的にクエリがChatGPTに直接送信する。
すでにChatGPTを仕事のワークフローに組み込んでいる職場や個人事業者も少なくないだろう。最も身近なインターフェースとしてiPhoneが使えることで、AI機能が一気に浸透するかもしれない。