Google、「Android XR」正式発表。2025年にサムスン製ヘッドセットが発売予定

多根清史

@bigburn Yahoo!ニュース 個人 2024/12/13 14:43

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Googleは、ヘッドセットやメガネ型などXRデバイス向けの新たなOS「Android XR」を正式に発表した。XRとはVR（仮想現実）、AR（拡張現実）、MR（複合現実）を含む総称である。

サムスンを筆頭に多くのハードウェア企業と協力して、製品の開発に取り組んでいるとのこと。また、開発者向けにはAndroid XRアプリの開発環境を提供しており、来年にはXR関連製品やアプリ・ゲーム・コンテンツが登場すると述べている。

Android XRが具体的にどのように機能するのか、スマホ用のAndroidとどう違うのか、詳細は明らかにされていない。Googleは自社アプリのマップやフォト、YouTubeで没入型のXR版を作成しており、複数の仮想画面を使ってマルチタスクができるChromeを準備中だと述べている。

今後、Android XRを搭載したメガネ試作機につき、少人数のユーザーグループによる実地テストが開始予定。視野の一角に地図を表示して道順をガイドしたり、韓国語のメニュー書きに英語の翻訳を表示しているデモ動画も公開されている。

また、Google Playのモバイルアプリやタブレットアプリもそのまま使える点は、App StoreのiPadアプリが使える「Apple Vision Pro」と同様のようだ。

Googleは、Gemini AIをXR体験の中心に位置づけている。GoogleのAndroidエコシステム責任者Sameer Samat氏は「XR体験と統合されたデジタルアシスタントが、スマホにおけるEメールやテキストメッセージのように、このフォームファクターのキラーアプリになると信じている」と述べたとのことだ。

Android XRは、光学式および動画式シースルーのヘッドセット、画面なしのメガネ型、ディスプレイ付きのARメガネなど、すべてのデバイスタイプに対応するという。Meta製品でいえば、QuestシリーズからRay-Banスマートグラス型まで網羅することになる。

サムスンが製造する初のXRヘッドセット、コード名「Project Moohan」は、すでに多くの開発者に提供されている。米9to5Googleによると、2025年に一般販売される最終的なハードウェアに近いものだという。

このヘッドセットは主にプラスチックで作られ、クアルコムのSnapdragon XR2+ Gen 2チップを搭載。右側にはトラックパッドがあり、アイトラッキングにより目線で操作もできるとのこと。Geminiも利用でき、見ているものにつき質問すると、隣に人間がいるように自然な答えを返してくれるという。

まだサムスンは本製品を正式発表していないが、2025年初頭の新製品発表イベント「Unpacked」で試作機をお披露目し、同年後半には約5万台を発売すると韓国メディアSE Dailyが報じていた。アップルのVision Proでさえ成功を収めているとは言い難いため、まず市場の反応を見る構えかもしれない。