センターサーバー化でさらにスイスイ
Suica改札がタッチ要らずに。10年間のアップデート計画を発表
JR東日本は、同社の提供するICカード乗車券「Suica」のデジタルプラットフォーム化を目標とするアップデート計画を発表。今後10年間をかけてコード決済機能の付加や、チケットやチャージ金額を管理するセンターサーバーの導入などを進めていく。
Suicaは、ソニーの非接触型ICカードFeliCaの技術を用いた乗車カードとして2001年よりサービスを開始。カード内のチャージ金額(SF/Stored Fare)によるIC運賃や、チャージ限度額の20,000円までの決済機能を有する。この度同社が発表した計画では、交通、決済だけでなく、地域のユーザーのさまざまな生活シーンにて利用できる「生活のデバイス」としてSuicaのアップデートを行う。
これまではチケットやSFのバリューをカード内で管理していたが、それらをセンターサーバーで管理する「センターサーバー化」を順次検討。各種情報をセンターサーバーに集約することで、タッチせずに改札を通過できる「ウォークスルー改札」や、改札機がない駅での「位置情報等を活用した改札」、そして現在広く利用されている SF 機能に加え、クレジットカードや銀行口座と紐づけによる「あと払い」の機能の実現を目指すとしていく。
2026年秋頃には現在提供されている「モバイルSuicaアプリ」の大幅リニューアルにより、Suicaの上限額を超える買い物にも利用できるコード決済や、電子マネーの送受信機能の追加も予定。さらに、買い物で利用できるクーポン機能、地域限定のバリューの発行といった機能を備えることでユニバーサルな決済ツール化を図る。
2027年春頃には首都圏をはじめとした複数のSuicaエリアを統合。これにより、Suicaで常磐線を上野から仙台まで利用できるように。また、Suica未導入エリアにおいてもモバイル Suicaアプリで購入できる「スマホ定期券(仮称)」が利用できるようになるほか、将来的には上記した位置情報改札により、JR東日本全線でSuicaを利用できるようになるという。
2028年度のリリースを目指す新しい「Suicaアプリ(仮称)」では、自宅最寄り駅を起点として、どの駅でも運賃が50%オフになるといった月額制サブスクリプション商品の提供を予定。そのほかにも鉄道の日などの記念日、駅ビルやイベントでの買い物により配信される鉄道クーポンといったサービス展開も考えているとのことだ。
ほか、各地域に根差した「ご当地 Suica(仮称)」による地方創生や、訪日外国人を対象とした「Welcome Suica Mobile」(iOS)を2025年3月に提供するなど、さらなる利便性の向上を行っていくとしている。
- Source: JR East(PDF)