訴訟を有利に運ぶため?

『パルワールド』がモンスター召喚のアクションを変更。任天堂との訴訟に関わる部分

Image:Pocketpair

ゲーム『Palworld / パルワールド』の開発元ポケットペアは11月末、アップデートパッチv0.3.11をリリースし、ゲーム中におけるパルの召喚アクションを変更した。これは、任天堂と株式会社ポケモンが起こした特許侵害訴訟が進行するさなかでのこととなる。

v0.3.11のパッチノートによると、従来はプレイヤーがパルスフィアと呼ばれるボールを投げるとその場所にパルが現れていたところが、変更後はプレイヤーの付近に召喚されるように変更されたとのこと。また、画面上に表示されるレティクル(照準)は、エイム(銃を構えること)したときにのみ表示されるように変更されている。

またポケットペアは12月3日にもパッチv0.3.12をリリースしており、v0.3.11で発生した、召喚したパルが地面に埋まってしまう不具合の修正と、プレイヤーがパルに騎乗中はレティクルを常時表示するように変更した。

これらの変更点はいずれも、任天堂がポケットペアに対して起こした訴訟で、パルワールドが任天堂の特許に抵触しているとされる部分だ。ポケットペアはなぜここに修正を加えたのかは述べていないが、任天堂および株式会社ポケモンとの法廷闘争を長引かせるよりも、問題とされる点に関して譲歩することで、早期解決に向かう可能性は高くなったのかもしれない。

Image:Pocketpair

パルワールドは、オープンワールドのマルチプレイゲームで、プレイヤーはフィールドにいるパルと呼ばれるモンスターを、パルスフィアと呼ばれるボールを使って捕獲・コレクションできるゲーム。パルたちの外観が『ポケットモンスター』に酷似していたり、捕獲したパルを戦闘時にパルスフィアから召喚して味方として戦わせられたりするところなどは、リリース当初から物議を醸すことになった。

実際のところ、このゲームはシステム的には『ARK: Survival Evolved』のようなサバイバルゲーム色が濃く、『ポケットモンスター』シリーズとは趣が異なるところも多いのだが、見るからにポケモン的なパルたちが、AK-47など妙にリアルな銃を手にして戦ったり、武器工場で奴隷労働者のように働かされたりする様子には、特にSNS界隈で、いつか任天堂の不興を買うだろうとささやかれていた。

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