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X、Grokの画像生成機能「Aurora」を“一瞬だけ”公開

Image:xAI

Xは先週土曜日、ユーザー向けAIチャットボットGrokから使える画像生成機能「Aurora」を前触れなく公開したが、その後すぐに、ユーザーはこの機能にアクセスできなくなった。

XユーザーがAuroraという名の画像生成機能が公開されたことに気づいたのは、AIモデルの選択メニューに「Grok 2 + Aurora (beta)」という表示が現れたから。現在この部分は「Grok 2 + Flux (beta)」となっていることから、手違いで公開されたか、なんらかのテスト目的での公開だった可能性が考えられる。

アクセス不能になる前に、ユーザーがAuroraで生成したいくつかの画像を見ると、それらはかなり写実的な雰囲気を伴うものであることがわかる。Xユーザーの多くがスマートフォンの小さな画面でアクセスすることを考えると、少し注意して見なければ実際の写真と見間違えてしまうかもしれない。

ただ、目ざといユーザーの中にはAuroraで生成された画像の中に、別の物が不自然に融合したような描写や、指が描かれていない人物などを発見して指摘する者もいた。余談だが、AIの画像生成能力は、膨大な数の画像をAIに学習させて、その記憶を元に生成されるため、細かいパーツが整然と並んでいて、しかもその数が決まっているような場合、たとえば指の本数や歯並びの描写では特にぼろが出やすい。

ほかにもOpenAIのサム・アルトマン氏がキリンに乗って宇宙を散歩しているというあり得ない画像を生成したXユーザーは、アルトマン氏の下半身がキリンの後ろ足と混同されて出力されたような生成結果を投稿している。

Xは8月、GrokにBlack Forest LabsのFLUXを組み込んだ画像生成機能をベータ版として追加している。このときはドナルド・トランプ氏が世界貿易センタービルに飛行機を突っ込ませている画像や、アーティストや政治家など、著名な女性があられもない姿で描かれている画像など、不謹慎な画像が生成されて物議を醸したが、今回のAuroraも、ミッキー マウスや血まみれのトランプ氏の画像など、著作権で保護されている有名なキャラクターや、著名人のディープフェイク画像を自由に生成でき、OpenAIのChatGPTなど一般的な生成AIが設けている制限を講じていないことが示された(なお、NSFWま画像まで生成できたのかどうかは未確認とのことだ)。

AuroraがX独自開発の画像生成機能なのか、Fluxが含むような既存の画像生成機能を利用した物かは当初は定かではなかったが、さらにXの所有者であるイーロン・マスク氏がその後Xに「これは当社の内部画像生成システムだ。まだベータ版だが、すぐに改善される予定だ」と述べている。

ちなみに、Xは週末、米国の一部のユーザーにGrokを無料で使用可能にした。ただ、無料ユーザーがGrokにメッセージを送れるのは2時間ごとに最大10回までで、画像生成は1日に3件までという強めの制限がかけられている。

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