背に腹は代えられない?

OpenAI、ChatGPTに広告導入を検討か。アルトマンCEOは「最後の手段」

Image:Meir Chaimowitz/Shutterstock

OpenAIがChatGPTに広告を組み込むことを検討していると、英Financial Timesが報じている。

CFO(最高財務責任者)のサラ・フライアー氏は同紙の取材に対し、もっか広告ビジネスモデルを探っており、広告をいつ、どこに表示するかにつき「思慮深く」検討する予定だと述べている。

その後、フライアー氏は「広告を積極的に追求する計画はない」と強調している。もっとも、FTはGoogle検索広告チームを率いたシヴァクマール・ベンカタラマン氏が、5月にOpenAIに入社したことを指摘している。

当初OpenAIは非営利のAI研究団体としてスタートしたが、2019年には非営利団体が営利目的の子会社を統治する「利益上限付き(capped-profit)」構造を導入。さらに最近では、営利企業への再編を進めている。

これまで同社は、生成AI技術を開発する資金を得るためにサブスクリプションに拠ってきた。だが、AIモデル訓練用のデータやAI処理サーバーの維持費、人件費など莫大なコストがかかり、昨年は5億4000万ドル(約800億円)の損失を出している。10月には66億ドル(約1兆円)もの巨額を調達していたが、それでも黒字のメドはたっていない。

その一方、同社のサム・アルトマンCEOは、広告ビジネスに気が進まないようだ。最近のハーバード・ビジネス・スクールでの談話でも、AI生成コンテンツと広告は相性が悪く、深刻な懸念を引き起こすと指摘。そして広告を絶対に考えないわけではないが「好きではない」し、「最後の手段」だと述べていた。

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