iOS 19/macOS 16用として来年お披露目されるかも
アップル、より自然な会話ができる「LLM Siri」を開発中か。実用化は2026年の見通し
アップルは現在、iOS 18.1の一部として新たなAI機能「Apple Intelligence」の展開を進めている。その一方で、音声アシスタントSiriをより高度な大規模言語モデル(LLM)に一新したバージョンを、「iOS 19」向けの新機能として開発中だとBloombergが報じている。
同社の内部情報に詳しいMark Gurman記者によると、社内では新たなSiriを「LLM Siri」と呼んでいるという。もっか別のアプリの一部としてテスト中だが、最終的には現在のSiriインターフェースに取って代わる予定とのことだ。
このLLM SiriはiOS 19および「macOS 16」の一部として来年発表する計画だが、実際にユーザーが利用できるのは2026年春になる見通しだと伝えている。
リニューアル版のSiriは新たなアップル独自AIモデルに基づき、ChatGPTやGoogleのGeminiのように人間と対話し、タスクを処理する。またApple Intents(アプリのコア機能を他のシステムやアプリ統合するフレームワーク)の使用を拡大し、サードパーティ製アプリもより正確に制御できるという。さらに、テキストの作成や要約などApple Intelligenceの機能も利用できるとのことだ。
今年10月末に公開されたiOS 18.1では、Siriがより自然な会話を理解し、文脈を保持する能力が向上したほか、音声入力だけでなくテキスト入力でも利用できるようになった。次期iOS 18.2ではChatGPTと統合するオプションが追加され、さらにSiriが強化される。iOS 18.2は現在ベータテスト中であり、12月に一般公開される可能性が高いようだ。
以前Gurman氏は、今後のiOS 18アップデートとApple Intelligence実装のスケジュールを語っていた。まずiOS 18.3は年末までに完成して来年1月にリリース。そしてiOS 18.1に次ぐ最大のアップデートはiOS 18.4であり「多くの新たなSiri機能」が含まれているとのことだ。
新たなSiriにつき、アップルはユーザーのプライバシー保護を強調するとのことだ。すでに質問クエリーごとにChatGPTに転送するかどうかを確認する仕様に「煩雑だ」との声も上がっていたが、ユーザーに意識させない工夫をするのかどうか興味深いところだ。
iOS 19とmacOS 16は、来年6月に開催される「WWDC 2025」で発表される見通しだ。今のところApple Intelligenceが使えるのは米国英語版のみで、日本語等には2025年に対応する予定だとされていたが、そちらにもWWDCで言及があるのかもしれない。