英語圏では詐欺電話の検出も可能に
Google Pixelスマホ、マルウェアのリアルタイム検出が可能に。他社Android製品にも展開予定
GoogleはAndroidのセキュリティ機能を強化すべく、新たにマルウェアをリアルタイムで検出できる機能を実装したと発表した。まず同社のスマートフォンPixel 6以降が対象となり、近日中に多くのAndroidデバイスでも利用可能になるとのことだ。
本機能はAndroidのGoogle Play Protectサービス向けに、「ライブ脅威検出(Live threat detection)」アップデートとして提供される。アプリの動作を分析し、デバイス内に有害なアプリがないかを探し、何か怪しいものがあればリアルタイムで警告するというものだ。
これは今年5月の開発者会議Google I/Oにて、盗難防止やプライバシー保護の強化とともに発表されていた。
ライブ脅威検出は、特に発見が難しい、意図を巧妙に隠すマルウェアを標的としている。アプリをダウンロードした際に悪意あるコードをスキャンするだけでなく、端末にインストール後も、疑わしいアプリの挙動の兆しを監視し続ける。
これにより、最初は安全なアプリを装い、後に悪意ある活動を始めるマルウェアを検出できるようになる。デバイスに入り込んでから外部のサーバーに接続し、別のマルウェアをダウンロードして実行する「ローダ型」等も見つけやすくなりそうだ。
本機能は、ユーザーデータを安全に保護するため「Private Compute Core」というプライバシーインフラストラクチャを使ってオンデバイス(端末上)で実行され、必要応じてユーザーに対処を促すリアルタイムの警告が送信される。
Googleは同時に、もう1つのセキュリティ機能である「詐欺電話検出(Scam Detection)」も展開している。こちらも5月のGoogle I/Oで予告されたもので、オンデバイスAIを使って電話を分析し、詐欺によくある会話パターンを検出する。
たとえば通話相手が銀行だと名乗り、口座が侵害された疑いがあるため緊急に送金するよう求めた場合、詐欺の可能性が高いと判断すれば、それを音声および触覚・視覚のアラートで伝えるとのことだ。
この機能は、米国でPixel 6以降を使っているベータプログラム参加者のみが利用でき、今後はまず英語圏を対象に展開していく予定だ。