2x10の34乗ドル
ロシア当局、Googleに「世界全体のGDPよりも高額な罰金」を科す
ロシアの裁判所はGoogleに対し、ロシアメディアのYouTubeチャンネルを規制したことに対する罰金として「20,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000ドル」を科すと述べている。短く表せば2×10の34乗ドル、漢字で記すと200溝(こう)ドルとなるようだが、いずれにせよ理解不能な額だ。
国際通貨基金(IMF)が算出した全世界のGDPよりもはるかに高い罰金は、プーチン政権とウクライナ侵攻を支持する17のロシア・マスメディアによって要求された総額だと、ロシアのニュースメディアRBCは伝えている。
Googleからすれば、絶対に払うことが不可能な額の罰金を言い渡されたところで何も対処のしようがないというのが本音だろう。米NBCがロシア当局に問い合わせたところでは、この罰金額はいわば「象徴的な」意味合いのものであることを認めたという。裁判所は「Googleは我々の放送局を彼らのプラットフォームにおいて制限すべきではない」「これは、Googleのリーダーシップがこのようなことに注意を払い、状況を改善するきっかけになるはずだ」と述べた。
この裁判はもともと2020年に、Gogoleがエフゲニー・プリゴジン氏と新興財閥(オリガルヒ)の一員であるコンスタンチン・マロフェエフ氏のYouTubeチャンネルをブロックしたことがきっかけとして始まった。その後2022年にロシアによるウクライナ侵攻が始まると、さらに多数のロシアのチャンネルがブロックされるようになり、裁判もその規模が拡大した。
裁判所はGoogleに対して、ブロックしたアカウントを9か月以内に復元するよう命じ、対応しなければ1日あたり10万ルーブル(約1000ドル)の罰金を科すとした。RBCによると、その罰金の規模は1週間ごとに倍となり、以後上限なく増額されるという。
Googleの親会社であるAlphabetは第3四半期決算発表の「法的事項」と題されたセクションで、「これらの進行中の法的問題が重大な悪影響を及ぼすとは考えていない」としている。
ちなみに英BBCは、「現状のロシアでは事実上、報道の自由はない。独立した機関による報道や、表現の自由は厳しく制限されている」と伝えている。