AIは「意識しなくても助けてくれる」機能
レノボはAIを「全てのユーザーに」。“AI PC”投入強化で目指す変革
レノボ・ ジャパンは、同社が推進する “AI PC” についての説明会をメディア向けに実施。併せて、9月にドイツ・ベルリンで実施された展示会「IFA2024」で同社が発表した、ノートPC新製品についても紹介が行われた。
案内されたノートPCは、「Yoga Slim 7i Aura Edition Gen 9」「Yoga Pro 7 Gen 9」「IdeaPad Slim 5x Gen 9」「IdeaPad 5x 2-in-1 Gen 9」の4モデルで、すでに日本でも発売している。いずれもAIに特化したNPUを搭載する、インテル、AMD、クアルコムの最新プロセッサーを採用することが特徴となる。
レノボでは、AIをすべてのユーザーが利用できるようにしていくという「Smarter AI for all」コンセプトを掲げている。同社コンシューマ事業部 営業戦略部 本部長の柳沼綾氏は、AI PCを使うことについて「ユーザーひとりひとりの新しいストーリーを作っていく、そういう新しいフェーズだと考えている」と説明。「たゆまぬ技術革新を進めていくことで、すべてのユーザーにAIの選択肢」をもたらすとした。
具体的に同社がAIを訴求していくにあたり、ユーザーが魅力的だと感じるような先進的なデザインを追求しつつ、技術革新によってユーザーエクスペリエンスを高めていくことを目指しているという。これにより、ユーザーを巻き込むような変革を起こすことを狙っていくそうだ。
柳沼氏は2024年はAI PC元年であり、「NPU搭載製品が続々と市場に出てきた」と解説。そのメリットとして「より高速に低消費電力にAIが使える」「他の作業を動かすと他の作業が遅くなる、PC全体の動きが重くなる、そういったことを低減」できるとする。
ハードウェア的には、インテルとAMDといった従来x86アーキテクチャだけでなく、Armのアーキテクチャを採用したプロセッサーも登場。さらにマイクロソフトがAI PCのソリューション「Copilot+PC」を打ち出し、その要件を満たす40TOPS以上の処理能力をもつNPUを搭載する製品が増加しつある。さらにAIは、クラウドおよびPCの端末自体で動かしていく2つの流れがあったが、2024年になって両者を組み合わせたハイブリッド型に移行しつつあるという。
レノボでは、全国の家電量販店に販促スタッフを配置しており、そこからの声をアンケートとして集計。そこからわかったこととして、「30-50代男性」だけでなく「家族連れ」にもAI PCの引き合いがあるとのこと。特に小学生や幼児の子どもが、店頭で絵や写真の生成AIを楽しみ喜ぶ様子が、家族連れのユーザーがAI PCに興味をもち購入に至った理由として大きいとする。
だが、同社コンシューマ製品 製品事業部 部長の櫛田弘之氏は、AI PCが必要と感じていないユーザーが現状多く存在することに言及。そのうえでレノボがAIで目指すのは、AIが「ユーザーを助けてくれるもの」であり、「意識しなくても助けてくれる機能」であることだという。たとえば、自分でやっていたことを自動で行ってくれたり、絵が苦手でも描けるなど新しいことにチャレンジするきっかけになったりする、と挙げる。
現在同社のノートPCに組み込まれている機能では、PCを開けると勝手に電源がつく「Flip to Start」、ユーザーがPCの前からいなくなると画面を自動でロックしてくれる「Presence Detection」など、AIがユーザーを助けるための機能が導入されているという。また、キーボードのバックライトをオートで調整する機能など、実はAIが導入されていた機能も多くあるとのこと。
最後に櫛田はクラークの三法則にある1つを用いて、「十分に発達したAIは、魔法と見分けがつかない。」と宣言。そのうえで、同社のノートPCでは「ある人にとっては、魔法なのではと思える機能が出てきている」と強調した。
- Source: Lenovo