米国でのGalaxy=安物イメージを払しょくするため
サムスン、「Galaxy」を超える高級スマホブランド名を検討中か
サムスンが自社フラッグシップ・スマートフォンにつき、おなじみの「Galaxy」に代えて、新たな高級ブランド名を模索しているとの噂が報じられている。
韓国メディアE-Todayによると、この動きは同社の高価格モデルを低価格の製品と差別化することが目的だという。
現在、サムスンは「Galaxy」ブランドを幅広く使っており、100~200ドル前後のGalaxy AおよびMシリーズの携帯電話から、1800ドルを超えるフラッグシップ機のGalaxy Sシリーズや折りたたみのGalaxy Zシリーズまで、区別するのはアルファベットの一文字でしかない。
業界アナリストは、単一ブランドで幅広い価格帯を展開することは、サムスン製ハイエンドデバイスのプレミアムなイメージを希薄化させる可能性があると指摘している。消費者がGalaxyという名称から低価格モデルを連想するようになると、フラッグシップ機がプレミアム製品しか発売しないiPhoneブランドとの競争が難しくなるというわけだ。
今年1月のCESにて、サムスンのグローバルマーケティング責任者であるイ・ヨンヒ氏は、「Galaxyには非常に多くのラインナップがあるため、革新的な転換点がある場合には、新たな名称が期待されていることは理解している」と述べていた。
サムスンが何をもって「革新的な転換点」と見なしているか不明だが、こうしたブランド戦略には莫大なマーケティング費用が掛かるだろう。
しかし、同社がプレミアム市場においてアップルと競合するなか、苦戦している状況はデータにも表れている。たとえば最近の韓国ギャラップの調査でも、現地でも20代の回答者の64%がiPhoneを使っており、同年代の女性に絞ると75%に上ることが明らかになっていた。
このブランド戦略を、E-Todayは現代自動車の高級車ブランド「ジェネシス」の成功に例えている。2015年末に発足したジェネシスは、2023年8月に累計販売台数が100万台を突破し、同社のブランドイメージと収益性の向上に貢献している。
サムスンは具体的な新ブランドを明らかにしていないが、そのメリットとデメリットを検討しているとのことだ。同社は「Galaxy AI」などソフトウェアでのブランドにも活用しており、すでに定着し始めている印象もあるだけに、決断を下すまでには時間がかかるのかもしれない。