A17 Proのビニング版を使っているためかも

「iPad mini」、新型のベンチマーク結果が登場。RAM 8GBでiPhone 15 Proより少し遅めか

Image:blackzheep/Shutterstock

先週、Apple Intelligence対応の「A17 Pro」チップを搭載したiPad mini(第7世代)が発表された。発売は23日であり、まだ一般ユーザーの手に届いてはいないが、早くも人気ベンチマーク投稿サイトにベンチマーク結果が登場し、その実力を垣間見ることができる。

これらベンチマーク結果では、新型iPad miniがRAM 8GBを搭載していることが確認できる。以前、アップルが「Apple Intelligenceの動作には最低でも8GB以上のRAMが必要だ」と示唆していたため、特に驚きはない。これは前iPad mini(第6世代)のRAM 4GBから大きなアップグレードである。

新型iPad miniは「iPhone 15 Pro」と同じA17 Proチップを搭載している一方で、GPUコアは5個にすぎず、1つ減らされていることは公式に明らかにされている。

その違いがパフォーマンスに与える影響が、ベンチマーク結果により浮き彫りにされた。GeekbenchによるiPad mini(第7世代)のシングルコアスコアは約2800、マルチコアスコアは約6500だ。A15チップを搭載した前モデルのiPad miniはシングルコアが約2100、マルチコアが約5400であり、アップルの主張する「30%向上」を裏付けている 。

かたやiPhone 15 Proのシングルコアは通常2900前後、マルチコアは7200前後である。高性能コアのクロック数はどちらも3.78GHzだが、なぜか新型iPad miniの方が約4%遅くなっている。おそらくiPhone 15 Pro用に製造したA17 Proのうち、低品質なもののGPUコアを1つ無効化した、いわゆるビニング版チップを使っているためだろう。


またGPUのベンチマークにおける3つのデバイスの違いは、ざっと次の通りだ。

  • iPad mini(第7世代):25600前後
  • iPad mini(第6世代):20200前後
  • iPhone 15 Pro:27000前後

ともあれ、新型iPad miniは前モデルよりも大幅に性能が向上しており、かつ「最も安価にApple Intelligenceが使えるデバイス」だとは言えそうだ。

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