後方互換性のためにも共通ROMフォーマットは都合がいいはず

Switch後継機、現行と同じROMフォーマット採用? エミュレータ取締強化と関連か

Image:Proxima Studio/Shutterstock.com

ここ最近、任天堂は「Yuzu」や「Ryujinx」などのNintendo Switchエミュレータの取り締まりを強化している。前者は提訴して約3.6億円の和解金を支払わせ、後者は撤退を説得したとの噂が報じられていた

これらの動きが、Nintendo Switch後継機(通称、スイッチ2)が他のゲーム機よりもエミュレートしやすく、先回りして保護する必要性が高いためとの可能性が浮上している。

ポケモン関連のリーク情報で知られるCentoro Leaksは、Ounce(スイッチ2)は任天堂が現行スイッチで使っているものと同じツールとROMフォーマットを採用しているが、任天堂だけ持っている新たな暗号化キーを備えていると主張している。

この投稿では情報の出所には触れていないが、同アカウントは先日、ポケモンシリーズを開発するゲームフリークが自社サーバーに不正アクセスがあったと発表した際、それに伴い流出したと称するリーク情報を大量に掲載している。なお、任天堂とゲームフリークはこれらが本物かどうかにはコメントしていない。

また「Ounce」とは、数か月前から現行スイッチ用ファームウェア内で見つかっていた名称である。複数の情報源が確かにスイッチ2の開発コード名だと主張していたが、上記のリーク情報にも含まれていたようだ。

最近の家庭用ゲーム機は、過去のソフトウェア資産を継承するため、後方互換性(過去ゲーム機のソフトが動く)を重視する傾向がある。PS5はPS4と後方互換性があり、Xbox Series X|Sは20年以上前に発売された初代Xbox用ソフトの一部も動く。

スイッチ2も例にもれず、現行スイッチと後方互換性があると予想されている。そのためカギとなるのが、ゲームソフトを保存するファイルシステムである。数か月前にも、スイッチのファームウェアでは新たなマウントポイント(ストレージを読み書きできる仕組み)の追加が見つかり、新旧ハードで統一ファイルシステムを採用するためだと推測されていた

Centro Leaksによると、スイッチ2は現行スイッチと同じ「NSP」(Nintendo Submission Package)を使っているという。上述のYuzuやRyujinxはNSPにも対応しており、その技術をベースとすればスイッチ2のエミュレーションを開発するハードルは下がるだろう。

よって任天堂は、長年にわたり放置してきたこれらのエミュレータを急いで閉鎖する必要に迫られた可能性がある。新たな暗号鍵にも任天堂は著作権を持ち、法的に保護されることは当然だが、それとは別に技術的な歯止めを講じなければならないはずだ。

任天堂はスイッチ2の発売時期を明らかにしていないが、2025年3月~4月が有力視されている。「ゼルダ」や「マリオ」新作のほか、PS5やXboxとの大作マルチタイトルも続々登場と噂されるが、現行スイッチとの後方互換性もスタートダッシュを力強く支えそうだ。

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