最適化でSteam Deckとの性能差も問題なしか

Switch後継機、PC向けタイトルが多数登場? ほとんどのUnreal Engine 5機能をサポートか

Image:Arief Syauqi/Shutterstock.com

Nintendo Switch後継機、通称「スイッチ2」はソニーやマイクロソフトの現世代ゲーム機ほど高性能ではないものの、発売済みタイトルの移植は豊富になると予想されている。現行スイッチは性能不足のためマルチプラットフォーム対応の大作ゲームには恵まれなかったが、事態が大きく好転する見通しだ。

それを後押しする要因の1つとして、現在の主流ゲームエンジン「Unreal Engine 5」の全機能がサポートされ、最近発表された「Megalights」も含まれると識者らが主張している。

ゲーム映像の技術的な分析で知られるDigital Foundryの専門家らはポッドキャスト番組にて、スイッチ2がUE5(略称)の最新機能に対応するかどうかという視聴者からの質問に答えている。

それによればLumen(光と影の表現を飛躍的に向上)、Nanite(数億ポリゴンもの超解像度モデルをリアルタイムで使用可能にする)、Virtual Shadows Maps(高解像度のシャドウを効率的に生成)などは確実にサポートされるという。それに加えて、100億個を超える動的なライトを同時に配置できるMegalightsにも対応するとのことだ。

さらに、これら機能の一部はスイッチ2専用バージョンも存在し、それなりに動く見通し。ただし、明らかにトレードオフ(他社ハードよりも見劣りするなど)やメモリを多く消費しないことが条件になるという。特にLumenは負荷が大きく、処理速度が低下しがちと言われるが、適切に調整すれば問題ないとのことだ。

現行スイッチはサードパーティからも大きな支持を勝ちえており、その後継モデルがUnreal Engine 5の持つ大半の機能をサポートすることは理にかなっている。すべてのゲームが上手く調整できるわけではなく、一部には妥協が必要なものがあるにせよ、これまでスイッチとは縁遠かったマルチプラットフォームのAAAタイトルが続々と流れ込むことになりそうだ。

またDigital Foundryは、スイッチ2の携帯モードとSteam Deckの性能差が、どのような影響をプラットフォーム競争に及ぼすかにもコメントしている。もちろん「Steam Deckの方が高性能」という前提である

これら2つのプラットフォームは実質的に異なる体験を提供しているため、大きな影響はないだろうのことだ。Steam Deckはプレイの感触がやや劣り、何よりゲームハードの販売を牽引する任天堂製ゲームが欠けている。

その一方、ゲーム開発者は特にSteam Deckをターゲットにしていないが、スイッチ2向けには快適に動くよう最適化を施し、機能セットをフル活用する可能性が高い。そこにはNVIDIA DLSS超解像技術が含まれ、グラフィックが底上げされると見られている

これまではPS5やXbox Series X|S、PCに限られたマルチプラットフォームタイトルがスイッチ2にもやって来て、最上ではなくともそこそこのクォリティで遊べるということだ。そしてスイッチ2は任天堂ゲームが遊べる唯一のハードであり続け、当面は(ゲーム機が全体的に世代交代するまでは)スイッチ以上の優位を保ちそうだ。

関連キーワード: