任天堂はどう動くのか

モバイル版『パルワールド』が全世界に展開予定。PUBGのKraftonがライセンスを取得

Image:Pocketpair

バトルロイヤルゲーム『PUBG:Battlegrounds』(PUBG)で知られる韓国パブリッシャーのKraftonは、日本のポケットペアと提携して『パルワールド』のグローバルライセンスを取得したことを発表した。開発は傘下のPUBG STUDIOSが担当し、『パルワールド』のIPをモバイルプラットフォームに拡大するとのことだ。

プレスリリースでは「オリジナルの主な楽しい要素を忠実に再解釈し、モバイル環境に実装する予定」と述べている。PC版の場合、推奨スペックはRAM 32GB以上、GPUはRTX 2070以上と軽くはないため、スマートフォン向けの最適化を行うのだろう。Kraftonは元々はPC用だったPUBGのモバイル版を投入しており、その移植度は予想を上回っているとの声もあった

「銃を持つポケモン」と評された『パルワールド』は、今年初めにPC版とXbox版がリリースされるや直ぐに大ヒットし、Steam同時接続数は歴代3位、発売から1ヶ月で総プレイヤー数2500万人を突破していた

さらに7月にはSME、アニプレックスと共に「パルワールドエンタテインメント」の設立に合意し、国内外におけるIPの拡大を図っていくと発表。そんな快進撃の矢先に、任天堂がポケットペアを相手取って特許権損害訴訟を起こしていた

その後もポケットペアは、PS5版『パルワールド』を正式にリリースしている。PlayStation公式『State of Play』でも紹介され、上記のようにIP事業でもソニーグループと密に連携しており(SMEも「グループ」を強調している)いち企業を超えた大きな図式が透けて見える。

とはいえ、PS5版は全世界68の国と地域で発売されつつ、日本については「現時点で発売時期は未定」とされており、一定の配慮はあるようだ。

世界的パブリッシャーのKraftonのもと『パルワールド』がモバイルデバイスに展開されれば、本作がより幅広いユーザー層を獲得できるばかりか、サバイバル・クラフト分野におけるゲームパブリッシャーの勢力図が一変する可能性もあるだろう。

今のところ任天堂が『パルワールド』関連の訴訟を起こしたのは、日本のみに留まっている。が、同社はNintendo Switchエミュレータ「Yuzu」に続いて「Ryujinx」も公開停止に追い込み、生成AIによるマリオの画像を削除させるなど、知財を保護する動きを活発化させている。

すでに多くの大手企業を巻き込んでいる『パルワールド』から、今後どのように波紋が広がるのか注視したいところだ。

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