Grok AIに著作権的なガードレールなし?
任天堂、生成AIによる “不謹慎” なマリオ画像を削除要求?ファンアートも対象の可能性
任天堂が代理企業を通じて、生成AIにより作られたマリオの画像などを著作権侵害として削除させているとの噂が報じられている。
The Vergeの編集者Tom Warren氏によると、Tracerの「カスタマーサクセスマネージャー」からデジタルミレニアム著作権法(DMCA)に基づく申し立てがあったとして、一部のコンテンツが削除されたとの通知をXから受け取ったという。
このTracerとは、商標権や著作権の侵害をオンライン上で特定できるとして、企業向けにAIサービスを提供している企業だ。Warren氏は実際に受け取ったDMCAテイクダウン通知を掲載しつつ、消された画像を含む投稿をリポストしているが、そこではXのGrok AIにより生成された「タバコとビールを楽しむマリオ」があったと確認できる。
なお「PS5を楽しむマスターチーフ(マイクロソフト『Halo』シリーズの主人公)」の画像は、まだ残っている。
Xは8月中旬から、有料会員向けに画像生成もできるGrok-2 Betaを提供している。当時から、多くの画像生成AIで制限されている政治家の画像を出力できることが指摘されていたほか、「タバコを吸ってビールを飲むミッキーマウス」も確認されており、著作権的なガードレールがないことが懸念されていた。
しかし、取り締り対象は生成AI画像に留まらず、ファンアート投稿にまで及んでいるようだ。やはりDMCA削除要求を受けたアカウントOtakuRockUは、「マリオの絵」を理由にアカウント停止の可能性があると警告を受けたと語っている。
The Vergeは任天堂やTracerに問い合わせたものの、記事執筆時点では回答がなかったという。そのため、どの程度まで任天堂が削除要求に関わっているのかは不明である。
もっとも、最近の任天堂は頻繁に訴訟を起こしている。今年初めにはSwitchエミュレータ「Yuzu」の開発者を提訴して240万ドルの和解金を支払わせ、先週も『パルワールド』開発会社に特許権侵害訴訟を提起したばかりだ。
- Source: The Verge