その代わりProやEnterpriseは値上げ

Unity、大不評だった「ゲームのインストールごとに追加課金」を撤回

Image:Poetra.RH/Shutterstock

最大手ゲームエンジンの1つであるUnityは、物議を醸していた「Runtime Fee」を撤回することを発表した。

Runtime Feeは、過去12か月内に一定以上の収益を上げ、かつライフタイムインストール数が20万回以上のゲームに対して、1ンストールごとに開発者に追加で課金するというものだ。今回の動きは、最初の発表からちょうど1年後のことである。

マシュー・ブロンバーグCEOはブログで、「信頼に基づくパートナーシップ」なしには「ゲーム開発の民主化」を続けることはできないと述べている。さらに開発者からは、価格の引き上げに理解を示す声があるとしつつも、「物議を醸すような奇抜な形で行うべきではない」と反省を示している格好だ。


こうした理由から、インストールごとの課金はなくされ、従来のシートベースのサブスクリプションモデルへと戻される。それに伴い、収益や資金規模に応じた各階層「Personal」「Pro」「Enterprise」ごとの料金体系が変更され、Pro以上は値上げされることになる。

ブロムバーグ氏は「ゲーム向けRuntime Feeを撤回し、今回の価格改定を実施することにより、お客様のゲーム開発を向上させるための投資を続け、皆様のより良きパートナーであり続けたい」との意向を述べている。

Unityが昨年9月中旬に発表した「ゲームのインストール数に応じたRuntime Fee」は、成功を収めた小規模開発者にとっては負担が大きかった。

たとえばUnity Personalを利用している場合、ゲームの収益が20万ドルに達し、既存のインストール数が20万回を超えていれば、新規インストールごとに0.2ドルが上乗せされる。すでに過去12か月のうちに、20万ドル以上を稼いでいる契約者全員に適用されるため、広く反発を招いていた。

その結果、一部の開発者はUnityからGameMakerやGodotなど他のゲームエンジンに乗り換えることを表明。また大ヒット作『テラリア(Terraria)』の開発元Re-Logicは、Godotに多額の寄付を行うと発表していた

今回の変更から最も恩恵を受けるのは、小規模事業者向けのUniti Personalだ。2025年1月以降も引き続き無料で、収益/資金調達の上限が10万ドルから20万ドルに引き上げられる。かたやUnity Proは8%値上げされて1シートあたり2200ドルに、Unity Enterpriseは25%値上げされる。

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