ミドルレンジ機の差別化としては妥当?

「Pixel 9a」、Tensor G4チップ搭載だがモデムは古い?衛星SOSは使えない可能性

Image:fifg/Shutterstock

Googleの最新フラッグシップ機Pixel 9シリーズが正式発表された直後、廉価モデル「Pixel 9a」の実機らしき画像がネット上に登場していた。それに続き、上位モデルと同じTensor G4チップが使われるが、古いモデムとの組み合わせとの噂が報じられている。

未発表のAndroid製品に詳しいAndroid Authorityによると、Pixel 9aに搭載されるTensor G4チップは少しバージョンが異なるという。チップ内部のダイは同じだが、パッケージング技術が違うとのことだ。

具体的には、通常のG4がFO-PLP(Fan-Out Panel Level Packaging))を使うのに対し、9aのG4はIPoP(Integrated Package on Package)を使うとのこと。前者はTensor G3に採用されたFO-WLPを進化させたもので、端子をチップの外に置くことで放熱性能を向上させつつパッケージを薄くする。

Image:Android Authority

つまり廉価モデル用G4チップは、上位モデルより分厚くて発熱量も大きいことになる。サーマルスロットリング(発熱による破損を防ぐため動作クロックを低下)は起きやすそうだが、パフォーマンスの違いは大きくないだろう。

一方、Pixel 9a内蔵モデムは、Pixel 8/8 Proで使われたサムスンのExynos 5300モデムチップを使うとのこと。Pixel 9に搭載されているExynos 5400チップは電力効率が向上して発熱が抑えやすくなっているが、前チップとの大きな違いは衛星に接続できる機能を備えていることだ。

Pixel 9シリーズは衛星SOS、すなわち衛星経由で緊急時に救援を求められるが、ミドルレンジ機では本機能が省かれることになりそうだ。その分、フラッグシップ機では物議を醸した価格が抑えられ、買いやすくなると期待したいところだ。

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