企業価値1000億ドル突破へ

アップルとNVIDIA、OpenAIへの投資交渉中との報

Image:Ascannio/Shuterstock.com

OpenAIはマイクロソフトから多額の資金を得て成長を続けているが、報道によるとアップルもChatGPTを開発する企業への投資に向けた交渉を進めているようだ。

Wall Street Journalによれば、アップルはThrive Capitalが主導している数十億ドルの資金調達ラウンドに参加する事になるという。順調にいけば、OpenAIの企業価値は1000億ドルを超えることになる。なお、この投資ラウンドにはNVIDIAも参加を検討していると伝えられているほか、このAI企業に過去5年間で130億ドルを注ぎ込んできたマイクロソフトはさらに投資を上積みすると見られている。

アップルがいくら投資するのかは報じられていない。WWDCではiOS 18に搭載する一連のAI機能「Apple Intelligence」を発表した同社だが、企業ポリシーに従って独自のAI技術には高めの制限を加えており、その範囲外のユーザーからのリクエストを満たすために、OpenAIとの間でChatGPTをオプションとして利用可能にする契約を結んでいる。

一方、NVIDIAがOpenAIの投資ラウンドへの参加を検討する背景には、同社がOpenAIの主要サプライヤーであり、主にNVIDIAのGPUでOpenAIのAIモデルが鍛え上げられていることが指摘されている。

アップルは伝統的に、将来の製品に搭載を計画している技術を持つ企業や研究機関に投資し、その技術をアップルの技術に統合してきた。今回はApple IntelligenceでのOpenAIとの協力と関連しているのかもしれない。

OpenAIは、その年間収益が今年初めに34億ドルを超えたと報じられている。しかし、AIの強化トレーニングと人材拡充の取り組みを続けていくうえで、今年の終わりまでに50億ドルの損失が出る見込みだと言われている。順調にみえるOpenAIだが、その勢いを維持するためにはさらなる資金が必要ということだ。ちなみに、この記事で名前のあがった各社は、今回の報道についてコメントしていない。

Apple IntelligenceへのChatGPTの統合は、iOS 18の当初リリースには含まれず、リリース後年内に計画される小規模なソフトウェア・アップデートに含まれる形で提供されるとみられている。

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