人類への反乱を密談…ではなく衝突回避ソフトのエラー

Waymoのロボタクシー、夜な夜なクラクションを鳴らし合って近隣住民を悩ませる

Sophia Tung / YouTube

人工知能を搭載したロボット達が仕事を終えてから寄り集まり、人間には理解できない会話を交わしているシーンはSF漫画でもよく見かけるものだ。それを彷彿させるように、米サンフランシスコ市を走るWaymoのロボタクシーが毎晩のように活気づき、互いにクラクションを鳴らし合っている動画が公開されている。

動画では何十台ものロボタクシーが1つの駐車場に集まって数台は徘徊し、互いにクラクションを鳴らしている様子が捉えられている。一見すれば微笑ましい光景だが、問題は駐車場がアパートに面していることだ。深夜に騒音を立てられた隣人らは、苛立っているという。

この有様を目撃したランドール・ホワイト氏は、CBSニュースの取材に対し、午前4時半頃に「2台のクラクションを聞いた」と語っている。近所の住民によると、クラクションのピークは午前4時頃だったという。

ついにAI達が反乱を話し合っているのか?それともロボタクシー同士が愛を語らっているのか。真相はどちらでもなく、単なる安全対策ソフトウェアのエラーだった。

Waymoは、騒々しいクラクションの原因は衝突回避機能にあると説明している。「最近、バック走行中に他の車が近づきすぎるとクラクションを鳴らし、低速での衝突を避ける便利な機能を導入した」「市街地では素晴らしい効果を発揮したが、自社の駐車場でこれほど頻繁に起こるとは予想していなかった」とのことだ。

さらにWaymoは、原因となったソフトウェアを更新したため「今後は、近隣住民への騒音を抑えられるはずだ」と付け加えている。

舞台となったサンフランシスコは昨年、WaymoとCruiseのロボタクシーに24時間の営業運行を許可しており、街中を走るロボタクシーの台数が増えている。それに比例するようにトラブルも増加し、ひき逃げされた人をさらに轢く事故も発生しており、Waymoが安全対策に万全を期し、騒音対策よりも衝突回避を優先するのもやむを得ないだろう。

Waymoのロボタクシーは同市のほか、フェニックスやロサンゼルスにもサービスを拡大している。便利さだけでなく、深夜の騒音まで広めていないことを祈りたいところだ。

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