2025年には1億台を超える見込み

AI PCの全世界出荷台数、2024年Q2は880万台に到達。今後も急増の見通し

Windows PCに新たに設けられた、AI機能用「Copilotキー」(写真中央)

AIに特化したニューラル・プロセッシング・ユニット(NPU)を備えるCPUを搭載する、いわゆるAI PCの出荷台数が伸びている。インテル、AMD、アップル、クアルコムはいずれも最新のCPUにNPU搭載モデルをラインナップしているため当然のことだが、調査会社Canalysの調べによると、2024年第2四半期だけでその出荷台数は880万台に上ったとのことだ。

CanalysによるAI PCの定義は「NPUなどのAI専用ワークロード用チップセットを搭載するデスクトップPCまたはノートPC」とされている。特にWindows PCでは、クアルコムのSnapdragon X Eliteを搭載したCopilot+ PCの発売が、AI対応PCの出荷に弾みをつけ、前年同期比で127%の増加につながったとしている。

なお、インテルもCore Ultraシリーズの出荷を増やしており、AMDがRyzen AI シリーズを7月から出荷し始めたことで、NPU搭載CPUの流通はさらに増加している。こうした流れは今後、より幅広い顧客層に拡がると見られることから、アナリストはAI対応PCの出荷台数が2024年後半から2025年にかけて急速に増加すると予想している。なお、5月の調査では、プロセッサーメーカーとPC製品メーカーの約60%が、Copilotキーが搭載された新しいPCを好んで購入すると予想していた。

Image:Apple

ただ、AI PC出荷台数のなかでは、Windows PCは全体の39%にとどまる。のこりの60%は、Neural Engine搭載のMシリーズCPUを搭載するアップルのMacが占めている。Mシリーズ搭載Macは今後リリースされるApple Intelligenceに対応しており、ユーザーがAI体験に触れる機会を急速に拡大するはずだ。

Canalysの予測によれば、AI PCの出荷は2024年に約4400万台、2025年には約1億300万台に増加する見込みだ。

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