連邦法はストライキを行う労働者を保護します

トランプ氏とマスク氏、全米自動車労働組合に告発される。Xの会談で「労働者を威嚇・脅迫」する発言

Image:rafapress/Shutterstock.com

全米自動車労働組合(UAW)は火曜日、ストライキ中の労働者を脅迫したとして、ドナルド・トランプ前大統領と大富豪のイーロン・マスク氏を告発した。

トランプ氏とマスク氏は月曜の夜に行われたX(Twitter)スペースの会談で「会社名は伏せるが、彼らはストライキを起こした。あなたは『大丈夫、みんないなくなる。全員いなくなるだけだ』と言えばいい」と発言、マスク氏はこれに笑いながら「そのとおり」と応じた。

これに対しUAWは、両氏が会社に反対して団結する権利を行使する従業員を「妨害、拘束、または強制し」「ストライキを含む保護された共同活動に従事している従業員を解雇すると示唆した」としている。連邦法では、労働者がストライキを理由に解雇されることは許されず、解雇するぞと脅すことは、国家労働関係法の下で違法となる。

UAWのショーン・フェイン氏は「ドナルド・トランプは、自分たちのために立ち上がる労働者に常に反対し、イーロン・マスクのような億万長者の味方をする。トランプもマスクも、労働者階級の人々が黙って座っていることを望んでおり、それを公然と笑っている。この2人の道化師なら予想できることだが、うんざりするほど違法で不快だ」と声明で述べた。

一方、トランプ氏の陣営の上級顧問ブライアン・ヒューズ氏は、UAWの告発に関して「民主党の特権団体の親玉」による政治的策略だと非難し「この無意味な訴訟は、米国労働者の間で圧倒的な支持を得ているトランプ前大統領を貶めようとする、まるで恥知らずな政治的策略だ」と述べている。さらに「トランプ氏は、忘れ去られたアメリカ国民のために経済を強化し、成果をあげてきた。11月5日に再選されれば、また同じことをするだろう」とした。

なお、両氏が労働法違反だと認められたとしても、大きな罰則を受ける可能性は低い。また、問題の解決には長い時間がかかることが予想される。ちなみにテスラは、これまで何度か組合の設立を試みてきたものの、その都度マスク氏とテスラは従業員の一部にストックオプションを分け与えるなどの反対工作を行い、組合結成の取り組みを阻止している。

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