サムスンのGalaxy AIも将来の有料化を示唆

Apple Intelligence、フル機能は月額20ドルの有料となる可能性

Image:QubixStudio/Shutterstock

アップルは次期iOS/iPadOS 18.1、Mac OS 15.1以降で独自開発の生成AI「Apple Intelligence」を提供する見通しだ。すでに開発者向けにテストを開始しており、iPhone 16シリーズを発表した直後に(ベータ版という形だが)正式にリリースする可能性が高い。

これら複数ある機能のうち、一部についてはアップルが最大20ドルの有料にする可能性があるとアナリストらが述べている。

まず調査会社Counterpoint ResearchのパートナーであるNeil Shah氏は、生成AIへの投資は高くつくため、アップルはそのコストをユーザーに転嫁したがるとCNBCに語っている。その額は10ドル~20ドルであり、(複数のサービスをまとめた)Apple Oneの一部として、よりプレミアムなAI機能を提供するかもしれないという。

またデータ分析企業CCS Insightのリサーチ・チーフであるBen Wood氏は「アップルは付加価値サービスの収益化に成功している、数少ないコネクテッドデバイス(ネット接続を前提とした機器)企業の1つだと語る。

「その結果ユーザーに対して、よりプレミアムなサービスにはお金を払わざるをえない前例を作ってしまった。これを足がかりに、アップルがApple Intelligenceの中でより高度な機能を有料化する可能性は否定できない」と続けている。

たとえばiCloudが無料でも5GBのクラウドストレージを使えるが、それ以上の容量はiCloud+に課金する必要があることを指しているのだろう。

これらアナリストらは、Apple Oneでは個々のサブスクリプションからの収益が希薄化してしまうとして、アップルがOpenAIやマイクロソフトが採用しているビジネスモデルに倣う可能性を示唆している。つまり一部のAI機能は無料で利用できるが、全機能を使うには課金が必要ということだ。

スマートフォンメーカーが生成AIをセットにしている先例としては、サムスンが挙げられる。同社は最近のGalaxy製品ユーザーに「Galaxy AI」を無料で提供しているが、一方で「対応するGalaxyデバイスで2025年末まで無料で提供される機能です」として、2026年以降は有料にする可能性を示唆している

またアップルが莫大なインフラ投資をしつつ、当面は無料で提供しているサービスとしては、衛星経由の緊急SOSがある。サムスンがGalaxy AIをどのようにマネタイズし、iPhoneの緊急SOSがいつまで無料とされるのかが、Apple Intelligenceの今後に深く関わるのかもしれない。

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