Mac Proの外付けGPU非対応はどうするのか
アップル、2024年にM4 MacBook Pro/iMac/Mac mini登場か。AirとMac Proは来年?
アップルは最新チップ「M4」をiPad Proに導入しながらも、Macは依然としてM3世代に留まったままだ。公式にはM3とM4の性能を比較していないが、マルチコア性能ではM4が14/16インチMacBook Proに搭載されたM3 Proを凌ぐとのベンチマーク結果もあった。
今後のMacにつき、2024年内にM4チップを搭載した新型モデルが登場する一方、来年はMacBook Air/Mac Studio/Mac Proの次期モデルが出るとの予想が報じられている。
アップルの内部情報に精通するBloombergのMark Gurman記者は自らのニュースレターで、全てのMacがM4世代に移行する準備中だと主張している。2024年内にiMac、MacBook Pro、Mac miniの新型モデルが出るとの見通しは、以前述べていたことの再確認だ。今回はさらに、上記の3機種が2025年にM4アップグレードの対象になると付け加えている。
現行のM3 MacBook ProおよびiMacは、昨年10月の「Scary Fast.」イベントで登場したものだ。前者はTouchBarを搭載した旧13インチMacBook Proを廃止し、代わりに14インチのエントリーモデルを投入して刷新を印象づけた。
かたや後者は、付属のMagic KeyboardやMagic Mouse、Magic Trackpadの充電端子がUSB-CではなくLightningのままで、逆の意味で驚きを呼んでいた。
またMac miniは2023年1月にM2/M2 Pro搭載モデルがリリースされて以来、新型は登場していない。次期モデルがM4チップ搭載とすれば、M3世代はスキップした格好だ。事実上の上位モデルであるMac StudioがいまだにM2 Max/M2 Ultraに留まっているため、強化型を投入するタイミングが難しいのかもしれない。
Gurman氏の発言で興味深いのは、M4での全モデル刷新がよりパワフルにすることを主眼に置きつつ「少なくとも1つのMacモデルに、より劇的な変更が加えられる」と述べていることだ。
Macが2020年にAppleシリコン(独自開発チップ)に移行して以来、ほとんどのモデルは一新されている。MacBook AirやMacBook Pro、iMacは全て新しいデザインになっており、インテルMac時代と変わらないのはMac ProとMac miniだけだ。
特に筐体デザインとアーキテクチャが齟齬を来しているのが、Mac Proである。2019年当時、インテル製チップを搭載した同モデルは多くのPCIe拡張スロットを備え、様々なGPUカードの増設に対応することで動画処理などを扱うプロフェッショナルからは好評を呼んでいた。が、Appleシリコンは外付けGPUに対応していないため、M2 Ultra搭載Mac Proの筐体は大部分が空っぽである。
またMac miniも、2010年からデザインがほとんど変わっていない。それ以前のDVDドライブがなくなり、外部ポートも変更されたが、デザインは「アルミニウム製の弁当箱」のままだ。
Mac Proは拡張性を受け継ぐとして「外付けGPUボード以外にニーズはあるのか」ということ、Mac miniはMac Studioとの棲み分けをどうするかが不透明ではある。
今後Apple Intelligenceの真価を引き出すためには、最新のM4チップ搭載Macが望ましい。とはいえ、同機能が日本で提供されるのは2025年以降のことであり、自分のユースケースに合ったMacを見極める時間は十分にあるだろう。