若年層への啓蒙も必要かも

Meta、性的脅迫に関連するナイジェリア拠点のInstagramアカウント6.3万件を削除

Image:SB Arts Media/Shutterstock.com

7月24日、Metaはナイジェリアを拠点として、セクストーション(性的脅迫)詐欺に関連している約6万3000のアカウントを削除したと発表した。このアカウントのうち約2500件は、約20の詐欺グループにつながる小規模な組織的ネットワークで、主に米国の成人男性をターゲットとして活動していたとのことだ。

近年日本でも名前が知られつつあるセクストーションとは、ターゲットとする人物から見て魅力的な相手に見えるようSNSやその他のインターネット手段を通じて接近し、言葉巧みにターゲットの性的な画像や動画を入手してから態度を急変させ、その画像や動画をターゲットの知人やネット上に晒すなどと脅迫すること。主な脅迫の目的としては、何らかの要求をのませたり、電子マネーなどの形で金銭を奪うことが挙げられる。

被害者の多くは10~20代で男女分け隔てなく狙われている。昨年10月には17歳の少年ジョーダン・デメイがセクストーション詐欺に遭い自殺したことが大きく報じられた(その後、ナイジェリア国籍の犯人2人が今年4月に米国に引き渡されている)。Bloombergの調査では、これまでに20人以上の未成年者が脅迫された末に自殺したと報告されている。

金銭目的のセクストーションは近年組織化しており、国境をまたいでターゲットを騙す行為が増加しているという。Metaの発表では、ナイジェリアでゆるやかに組織化されたYahoo Boysと呼ばれるサイバー犯罪集団の活動が目立ってきていたため、「危険な団体および人物」に関するポリシーに基づいて、この組織によるMetaのサービス利用を禁止したと述べている。さらに、Yahoo Boysに関連するアカウントは発見次第削除するとのことだ。

Metaは、Instagramアプリにも改良を加え、16歳未満(一部の国では18歳未満)のティーンにはつながりのない相手からのDMが届かないようにデフォルトのメッセージ設定を変更し、さらに「詐欺に遭わないため」の通知も表示するようにしている。メッセージのやり取りにおいても、ダイレクトメッセージでセンシティブな画像をやり取りしようとするれば、自動的に画像をぼかしたり、送信する前に注意を促すなどの対策も取り入れるとしている。

ちなみに、MetaはFacebookでも詐欺関連の情報を提供していた1300のアカウント、200のページ、5700のグループからなる、約7200のナイジェリアからのコンテンツ資産を削除したと報告している。

願わくば、日本国内のMetaサービス(Facebookなど)で蔓延っている著名人の写真などを無断使用した詐欺広告も、真面目に取り締まってほしいものだ。

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