こんにちは、「ミンディ」です

科学者が考えた西暦3000年の人類の姿?スマホやコンピューターの使いすぎに警告

Image:TOLLFREEFORWADING.COM

西暦3000年、人類はどのような姿を送っているだろうか…?その疑問に対する答えのひとつは、「ミンディ」と呼ばれるコンピューターシミュレーションによって描き出された未来人の姿かもしれない。

ミンディは、もし、いまあるテクノロジー製品を使い続けた場合に人類に起こるであろう身体的な変化について科学者らが予想したことを、人類の進化に当てはめた結果生まれた姿だ。

西暦3000年の人間であるミンディの特徴は、小柄な体格で、背中が老人のように丸まり、首は後ろ側に常に反り返っている。さらに肘は直角に曲がり、手指は握りしめるでも弛緩するでもなく、中途半端に折り曲げられたかたちだ。さらに、この“未来人”は頭蓋骨が厚くなったせいで脳の容積が縮小し、知能的には現在より劣っていると予想されている。極めつけはその目に、薄い膜状の第二の瞼があるところだ。これは完全に現代の人間にはない特徴だ。

実のところ、人類が皆976年後にミンディのような姿に進化しているかどうかはわからない。普通なら、1000年未満の時の流れでは、人類にここまでに大きな身体的特徴の変化は生じないだろう。しかし、ミンディの姿は、現在の日常生活の状況が進化を加速する転換点だと仮定した場合に、特に変化が現れそうな部分を特徴的に示している。

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改めてミンディの特徴を見返してみよう。まず体格が小柄になるのは、現在の生活がすでに「生き残るためには大きく強い種族である必要」がなくなっていることが挙げられる。また現代の生殖行動は体格よりも経済力を含む多様な基準に依存しており、よりテクノロジーに精通し経済的に成功する人々が多くの子孫を残す用になると考えられる。ウィンクルボス兄弟よりもザッカーバーグのほうが成功したのはわかりやすい例かもしれない(とはいえ、ウィンクルボス兄弟も仮想通貨で巨万の富を手にしているが)。

背中が老人のように猫背になるのは、オフィス業務ではPCの画面をのぞき込み、外出時はスマートフォンの画面を見るために視線を常に下に落としていることで、それに適した形状に身体的な変化が起こると予想したものだ。首が後ろに反り返った状態になるのもそのせいで、おそらくミンディは酷い「テックネック」や「ストレートネック」「スマホ首」などと言われる症状に悩ませられることだろう。

不自然に曲がった指や直角の肘は、常にスマートフォンを手にし、それを見ている生活を反映したものだと言える。もちろん、西暦3000年までスマートフォンが廃れずに使われ続けるかはわからないが、現在の生活からの推測ではそうなる可能性があるだろうということだ。

頭蓋骨が厚くなるのも、スマートフォンから放射される電磁波に関する研究において、2018年にそれが人の記憶録に影響与える可能性があるとの論文が発表されたことを根拠としている。電磁波は、特に頭蓋骨の薄い子供に対して深刻に影響すると考えられており、ミンディは脳を守るために頭蓋骨を厚くしたわけだ。その一方で、脳の容積が小さくなるのは、科学技術の進歩の結果、人々が物事をよく考えずとも生活していけるようになったことを反映した結果だという。農業から健康に関する事柄まで、技術の進歩は生きていくための知恵や経験による学習がなくとも安全な生活を提供する。つまり、人々は昔ほど賢くなくてもよいわけだ。

ただし、高度なテクノロジーを生み出し続けるには非常に多くの知識や技術力、創造力が必要であり、このあたりはもしかすると優れた脳を持つ人々とその必要がない人々の間に大きな差が生まれる可能性も考えられなくはなさそうだ。

最後に最も奇抜な進化に見える第二のまぶただが、これはスマートフォンのようなデバイスの画面から放たれる強い光が、頭痛や眼精疲労、視力の低下を引き起こすという研究がたくさんあることから考えられたものだ。目が晒される有害な光を制限するため、映画『MIB(メン・イン・ブラック)』の導入部で、ウィル・スミス演じるJに追いかけられた宇宙人が最期に見せたような、薄い第二のまぶたが形成されることは…あるのかもしれない。

ちなみに、ミンディは今回が初出というわけではなく、コロナ禍の2021年に、リモートワークなどでコンピューターやスマートフォンなどのテクノロジーを使いすぎ、疲弊する人々に警告したいと考えたTollfreeForarding.comが、その状況が続いた場合の将来の人間についての予測を学者たちに依頼して作り上げたものだ。

しかし、どれだけ理屈を並べようが、未来を正確に予測することは不可能だ。ましてやその変化を制御したり、特定の方法で意図的に進化を生じさせる方法は、少なくとも今はないはずだ。