Switch本体の売上は落ち込み、後継機種のスケジュールにも影響?
PlayStation独占タイトルのPC移植戦略は「成功」との調査結果
大手調査会社Circana(旧NPD)は、米国におけるこの5月のゲーム関連ハードウェア支出について、前年同期比で40%も減少したと報告している。この数値にはNintendo SwitchやPlayStation 5といったおなじみのゲーム機が含まれている。
主な原因は、昨年5月の売れ行きが好調すぎたことだ。同時期にはスイッチ用の『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』が発売されて大成功を収め(2024年2月時点で全世界2000万本を突破)、スイッチ本体の売上も強力に牽引していた。
その一方、今年の5月時点では、PlayStationタイトルのPC移植版が売れに売れている。『Ghost of Tsushima』はSteam版が発売されたことで「5月に最も売れたゲーム」となり、パッケージ版とダウンロード版の合計でスイッチ用タイトル『ペーパーマリオRPG』のパッケージ版の売上をわずかに超えたとのこと(任天堂はダウンロード版の売上データを提供していない)。
またPS5版と同時発売となったPC版『HELLDIVERS 2』はSteamで1位にランクイン。これら2つのゲームが大ヒットしたことは、PlayStation独占タイトルをPCに移植する戦略が、全く新たな市場を開拓してユーザーのすそ野を広げていることを意味している。
ソニーがPC移植を強化していく戦略は、2年前から兆しがうかがわれていた。『Marvel’s Spider-Man Remastered』を皮切りに、『The Last of Us』や『Horizon Zero Dawn』など次第に数を増やしており、ハードウェアを離れたPlayStationソフトが独り立ちを始めた印象さえ受けるほどだ。
またCircanaによれば、全体的なコンテンツへの支出が3%減少している中、モバイルコンテンツへの支出は13%増加したという。ゲーム専用機のハードやソフトの落ち込みを、スマートフォン用ゲーム支出の伸びが穴埋めしている格好である。
そしてゲーム専用機のうち、最大の落ち込みを見せているのがスイッチだという。これはスイッチ後継機種、通称「スイッチ2」の発表スケジュールにも影響を与える可能性があるだろう。
現行モデルは発売から8年目に差し掛かりつつもまだ好調、勢いを落とさないためにもスイッチ2は2025年3月ギリギリに発表(任天堂は「今期中に発表」と予告)、2025年末に発売と予想する向きもあるが、そこまで息が続かない恐れもある。
すでにクリエイターらもスイッチ2を意識したような発言が目立ちつつあり、今後の任天堂の動きを注視したいところだ。
- Source: Mat Piscatella(X)
- via: Wccftech