“1万円以下”入門スマートウォッチを3機種比較! HUAWEI、Xiaomi、Amazfitの違いは?

1万円のスマートウォッチ3機種を比較した。左からHUAWEI Band 9(税込8,580円から)、Xiaomi Smart Band 8(税込5,990円/想定)、Amazfit Band 7(税込7,980円)。

年々人気が高まりつつあるスマートウォッチ。スマートフォンの通知確認だけでなく、歩数や睡眠記録を取って健康面の気づきにも役立つ。

Apple WatchやPixel Watch、Galaxy Watchなどハイエンドな製品は、画面が大きく見やすい。さらに、アプリをインストールして動作をカスタマイズできたり、FeliCa搭載でSuicaが使えたりと高性能な反面、価格も高価。ミドルクラスのスマートフォンが購入できる程度になってしまう。

スマートウォッチに興味はあるが、そこまで高性能な必要はなく、睡眠計測や運動記録が取れればそれでいいという方も多いだろう。実際、多くのメーカーがそうしたエントリークラスのスマートウォッチをリリースしている。

そこで今回は、こうしたエントリークラスのスマートウォッチ3製品「HUAWEI Band 9」「Xiaomi Smart Band 8」「Amazfit Band 7」を実際に使用した上で、各製品の比較や使い勝手の違いなどを紹介していこう。

まずはスペック的な比較

ディスプレイは、HAUWEI Band 9とAmazfit Band 7が同じ1.47インチで、Xiaomi Smart Band 8だけがやや大きい1.62インチだ。ただ、Xiaomi Smart Band 8はやや縦長になっており、並べてみると逆に一回り小さく見える。

▲左からHUAWEI Band 9、Amazfit Band 7、Xiaomi Smart Band 8。HUAWEI Band 9とAmazfit Band 7は、ディスプレイサイズが同じでデザインもよく似ている

本体サイズは微妙に異なっているものの、並べてみるとほとんど違いは感じない。重さに関しては、HUAWEI Band 9のみスペック表にはベルトを含まない数値しか記載がなかったが、実測したところ28.9gとなっていた。

デザイン的にはXiaomi Smart Band 8のみ異なるが、残りの2つはほぼ共通。どれがいいかは、完全に好みの問題だろう。筆者としては、HUAWEI Band 9のゴールドの縁取り(ブラック筐体はシルバーの縁取り)が、高級感があって好みだ。

▲各モデルの主なスペックの比較

ベルトの装着方法は、XiaomiとAmazfitがギボシタイプ、HUAWEIは一般的なバックルタイプ。ギボシタイプは、装着してしまうと出っ張らず、キーボード操作時になど、手首が机に触れるような状況でも邪魔にならないのがメリットだ。反面、装着時に多少のコツがいる。バックルタイプは、装着は楽なのだが手首が机に触れるシーンでは、若干の邪魔に感じることもある。

▲HUAWEI Band 9(左)のみバックル仕様。残りの2つは穴にピンを挿しこむギボシ留めとなっている

なお、すべてのモデルはベルトが交換可能で、各社とも交換アクセサリーを販売している。とくにXiaomi Smart Band 8は、レザーベルトや金属ベルトなど、種類が豊富に用意されており、ファッション性が高い。

▲すべてのモデルがベルトの交換に対応している。
▲Xiaomi Smart Band 8のストラップは、カラーバリエーションだけでなく、素材やデザインなどが豊富だ。ペンダントにできるアクセサリーも用意されている

機能面はほぼ同等

続いて機能面だが、正直なところ大きくは変わらない。細かく見ていくと、HUAWEI Band 9は4種類のワークアウトの自動計測に対応、Xiaomi Smart Band 8は150種類以上のワークアウトに対応など、若干の特徴はあるのだが、大量のワークアウトの種類を必要としている方はそう多くはいないだろう。

ランニング(屋内、屋外)、ウォーキング(屋内、屋外)、サイクリング(屋内、屋外)、水泳あたりがあれば、とりあえず健康を意識してスマートウォッチを使い始めるという方には十分だと考えられる。

GPSについては、どれも非対応。ランニングコースの記録などにはペアリングしたスマートフォンの位置情報を利用する必要がある。

▲炎天下でのAmazfit Band 7の表示。輝度50%ほどだとかなり見えにくい(肉眼ではもう少し見える)

なお、機能面について1点だけ注意があり、3モデルの中でAmazfit Band 7のみ環境光センサーが非搭載で、画面輝度の自動調整に対応していない。

3モデルとも、晴天の屋外では輝度を最大にしないと画面が見にくいのだが、Amazfit Band 7は自動調整がないので、外で使う場合には意識して輝度を上げる必要がある。

実際のところ、そんな面倒なことはせずに普段から輝度を最大にしておくことになるだろうから、バッテリー持ちは不利になるだろう。

Amazfit Band 7は環境光センサーを搭載しないが、一方でマイクを内蔵しており、Amazon Alexaへの音声指示が可能だ。スピーカーは非搭載のため、Alexaからの返答は音声ではなく、画面上で確認する必要があるが、普段からスマートスピーカー等でAlexaを使っている方には便利かもしれない。

実際に使い比べてみた感想

ここからは、3機種を実際に使った使用感をお伝えしよう。どの機種でも、毎日30分の室内サイクリング、1時間のウォーキングを行い、通知は着信、SMS、メッセージ、LINEのみを行った。

基本的にテスト中は、入浴時以外は常に身に着けて過ごしていたという状態だ。といっても、長時間試用したわけではなく、それぞれ2日間使っただけなのはご容赦願いたい。

こうした使用方法では、3機種の中で一番使いやすい(操作しやすい)と感じたのは、HUAWEI Band 9だった。この理由は明確で、サイドボタンの存在が大きいためだ。

他の2機種は、画面をスワイプしてワークアウトのメニューを表示する必要があるが、HUAWI Band 9はサイドボタンを押すだけでアクセスできる。また、ワークアウト終了時もサイドボタンを押すと終了メニューが表示され、タップ操作で終了できる。

▲HUAWEI Band 9はサイドボタンを押すことでメニューを表示可能。ワークアウト終了時もサイドボタンでメニューを呼び出し、アイコンタップで終了できる

これに対して、Xiaomi Smart Band 8とAmazfit Band 7は、スワイプ操作でメニューを表示したあと、終了ボタンを長押しする必要がある。ちょっとしたことで、おそらくは誤タップ防止のためなのだろうが、ワークアウト終了時の疲れた状態で長押しするのは、正直なところかなり面倒だ。

▲Xiaomi Smart Band 8とAmazfit Band 7は、スワイプ操作でメニュー表示する。ワークアウトの終了時もスワイプ後にアイコンを長押しする必要がある

これ以外の部分では、使用感に差を感じることもなく、3機種ともに1日中快適に身に着けられていた。どれを使っても運動記録や睡眠計測、通知の確認などは行えるので、あとはアプリの見やすさやなどで決めてしまっていいだろう。

▲HUAWEI Band 9で利用するHUAWEIヘルスケア
▲Xiaomi Smart Band 8で利用するMi Fitness
▲Amazfit Band 7で利用するZeppアプリ

なおバッテリー持ちだが、前述の通り、AOD(画面の常時点灯)を有効にした状態で丸2日使った場合、HUAWEI Band 9の残量は60%、Xiaomi Smart Band 8は68%、Amazfit Band 7は30%となった。

Amazfit Band 7のバッテリー持ちがだいぶ悪いが、これは輝度最大で使用していたためだろう。2日目の夜や3日目の朝には充電が必要かもしれない。他の2機種は3日~4日は持ちそうだ。

当然ながら、手首を返して表示をオンにする機能も備えているので、いずれの機種もAODを使わなければもっとバッテリー持ちは良くなるはずだ。

入門スマートウォッチ、どれを選ぶべき?

今回紹介した3製品は、どれを選んでも機能的に大きな差はなく、デザインなどの好みで選んでしまっても問題はないだろう。

あえてターゲット層を絞るとするなら、サイドボタンがある操作性の良さを重視するならHUAWEI Band 9、ファッション性やコスパを重視するならXiaomi Smart Band 8、Amazo Alexaでの音声操作をしたいならAmazfit Band 7といったところだ。

もっとシンプルに、Xiaomiのスマートフォンを使っているからXiaomi Smart Band 8、HUAWEIのイヤホンを使っているからHUAWEI Band 9といった選び方もありだ。ぜひ、自分の気に入ったスマートウォッチを見つけてほしい。

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