“ちょうどいい”仕様を実現した中容量モデル

Jackeryの新ポータブル電源「600 Plus」体験会。“ちょうどいい”仕様で需要喚起

編集部:伴 修二郎

Image : 「Jackery ポータブル電源 600 Plus」

Jackery Japanは、最新ポータブル電源とソーラーパネルのメディア向け体験会を都内某所で開催した。体験会の模様をレポートしていく。

“ちょうどいい”仕様を実現した中容量モデル「600 Plus」

Jackery Solar Generator 600 Plus 100W」は、リン酸鉄リチウムイオン電池を採用する “Plusシリーズ” の新ポータブル電源「Jackery ポータブル電源 600 Plus」と、ソーラーパネル「Jackery SolarSaga 100」のセット品。4月22日に発売予定だ。

本セット品はオンライン販売限定となっており、加えてオフライン店舗限定として、よりコンパクトに折り畳めるソーラーパネル「Jackery SolarSaga 100 Mini」をセットにした「Jackery Solar Generator 600 Plus 100W Mini」も用意されている。

Image : 「Jackery Solar Generator 600 Plus 100W」
Image : 「Jackery Solar Generator 600 Plus 100W Mini」

新ポータブル電源「Jackery ポータブル電源 600 Plus」は、約7.3kgの軽量設計に加えて、定格出力800W、容量632Wh、長寿命対応など、 “ちょうどいい” 仕様を実現したと謳う中容量モデル。従来まで大容量および小容量モデルのみを展開していたPlusシリーズに対して、ユーザーからその間の中容量モデルの要望を多く受けて、この度発売が決定したとのことだ。

同シリーズの共通仕様として、4,000回の充電サイクルを備えたリン酸鉄リチウムイオン電池を搭載する。毎日使用しても、約10年間使用することが可能だ。また4,000回使用後も工場出荷時の約70%の電池残量を維持するなど、長寿命も実現している。

Image : Jackery

停電などの緊急時に20ミリ秒(0.02秒)未満で、電源供給をポータブル電源に自動で切り替えるUPS機能を搭載。冷蔵庫や照明などの電源に普段からポータブル電源を接続しておくことで、災害時に対応できる。また、ポータブル電源をAC電源に接続したまま家電やスマホなどを使用しても、バッテリー寿命に影響を与えることなく、充電および放電が行えるという。

ソーラーパネルによる高速充電に対応し、アウトドアのみならず災害時の長期の停電の際にも活用できる。バッテリーの充電を85%に制限し、80%を下回った場合のみ充電を行うことでバッテリー寿命を約1.5倍に延長する「バッテリー節約モード」や、自然放電を抑える「超ロングスタンバイモード」、緊急時のみ推奨の充電速度を向上させる「緊急スピード充電」機能などを搭載する。

Image : Jackery

また、62種類の保護機能を搭載した最先端の高速充電技術「Charge Shieldテクノロジー」も採用。独自の段階的可変速充電アルゴリズムを用いることで、さらなる安全性能向上を実現するという。さらに専用アプリによる遠隔コントロールにも対応。アプリ上では電池残量や充電状況、使用可能な時間、出力/入力などのステータスを確認できる。

パッケージは環境に配慮し、従来のプラスチック製のハンドルから特許取得済の紙製ハンドルに変更した。同梱品を梱包するEPEフォームも紙製に変更するなど、環境への負荷軽減を図っている。

3年間の基本保証に加えて、製品登録することで2年の延長保証を提供。最大5年間の長期保証を実現するほか、故障時の修理サービスや使用後の製品回収サービスも用意する。

さらに、今回のJackery ポータブル電源 600 Plus、Jackery Solar Generator 600 Plus 100W、Jackery Solar Generator 600 Plus 100W Miniの3製品は、身の回りにあるモノやサービスを日常時に加えて、非常時にも役立つデザインにするという、一般社団法人フェーズフリー協会が提唱する「フェーズフリー」の認証品にもなっている。

Image : Jackery

Jackeryが注力するCSR活動。ポータブル電源市場の広がりもアピール

新製品体験会の冒頭では、Jackery Japanの事業統括部 マーケティング課 課長・平松孝太氏が登壇し、Jackeryのこれまでの歩みや同社が取り組むCSR活動を紹介したほか、2024年のポータブル電源市場についてのプレゼンテーションも行われた。

Jackeryは、2019年に日本法人を設立し日本国内でのブランド展開を開始。オレンジ色のポータブル電源の認知を広げたベーシックモデルの展開を皮切りに、2022年には高速充電対応モデル「Jackery Solar Generator Proシリーズ」を発売。ソーラーパネルとの組み合わせを広く伝えていくため、このタイミングでセット品の名称を「Solar Generator」として、日本で展開を開始している。

Image : Jackery Japanの事業統括部 マーケティング課 課長・平松孝太氏

2023年には、最新シリーズとなる独自の急速充電技術や長寿命を備える「Jackery Solar Generator Plusシリーズ」を発表。発売後はAmazon売れ筋No.1や家電大賞金賞といった様々な賞を受賞するなど、多くのユーザーから好評を得ているとのこと。

Image : Jackery

また、Jackeryは様々なCSR活動にも注力している。その1つとして、ソーラーパネルやポータブル電源の活用だけでなく、「できること、すすめよう。for Green!」をキャッチコピーに、環境に関する企業活動を推進するプロジェクト「Jackery Green」を2022年度より開始している。

本プロジェクトでは、小学生の子どもたちがアウトドアや環境問題について学ぶイベント「グリーンカレッジ沖縄・やんばる」への協賛や、アウトドア事業で得た利益の一部を自然保護を通して還元する一般社団法人「コンサベーション・アライアンス・ジャパン」へのピナクルメンバーとしての加盟、Jackery創立10周年として「鎮守の森のプロジェクト」へ植樹1,000本分の寄付などを行っている。

さらに、Jackeryの災害支援や寄付などの企業CSR活動プロジェクト「Jackery Care」も実施している。防災と深く繋がりのある製品を販売するJackeryが、災害支援や寄付、防災布教活動を積極的に行っていくというもので、「少しでも安全に、そして安心できる社会を目指して取り組んでいく」と力を込める。

Image : Jackery

具体的な支援例として、日本レスキュー協会と佐賀災害支援プラットフォームにポータブル電源14台を寄贈。また、能登地震支援活動として4つの地域にポータブル電源とソーラーパネル合計260台(2,400万円相当)の無償提供を行っている。説明会内では、能登地震支援活動の様子や被災者の方々の支援に対する声などをまとめた動画も上映された。

続いて、2024年のポータブル電源の市場調査結果について発表。外部調査会社が2024年1月に実施した市場調査によれば、ポータブル電源の認知度は全体の76%。購入を検討する方のほとんどが防災用途に重点を置いているとして、アウトドアブームが定着しつつある中、防災備えの需要が高まっていると強調した。

Image : Jackery

一方で、購入を中止する理由については価格面が最も多く、次いで置き場や重量といった取り扱いに関する懸念が得られたとのこと。実際に平松氏は、「防災対策は女性の方も興味をもっている方が多いが、実際にポータブル電源を手に持ってもらうと『重くて持てない…』と言われるケースが多い」と語る。

ポータブル電源の利用状況に関する調査結果では、日常で使用するスマートフォンやタブレットの充電の利用率が最も高かったとのこと。次いでライトの充電の利用率も高く、消費電力がそこまで高くないものが多くを占めているとしていた。

停電や災害時、日常生活やアウトドアなど様々な活用例を紹介

会場内では、Jackery ポータブル電源 600 Plusを中心としたさまざまシーンにおける活用例を紹介するデモ展示を用意。真夏や真冬の際に停電が起きたシーンを想定し、600 Plusからバルミューダの扇風機や電気毛布などを駆動させる展示や、632Whの大容量によって家族全員のスマートフォンやテレビ、PCなどに電源供給する活用例が紹介されていた。

Image : 真夏や真冬の停電時における活用例
Image : スマートフォンやテレビ、PCへの給電シーン

日常生活シーンの活用例として、自宅内を移動しながらPC作業を行いたい際や、スマホやLEDライトを使用したいがコンセントがない場合でも、600 Plusを活用することで場所を選ばずに様々な電子機器を使用できる点をアピール。小型の調理家電も使用できるため、家の庭やベランダでの簡単な調理もサポートできる。

Image : 日常シーンの活用例

災害時シーンでは、UPS・パススルー機能を活用した冷蔵庫とポータブル電源の常時接続を紹介。停電時には自動でポータブル電源の出力に切り替わることで、外出中や夜間など気づかない停電が発生した際にも食材が痛んでしまう心配がなくなる。ファミリータイプの450Lであれば年間消費電力が約400kWhとなるため、600 Plusと接続することで約10時間以上使用可能となる。

Image : 冷蔵庫との常時接続で停電時も安心

そのほかアウトドアシーンでの活用例として、電気毛布や車載冷蔵庫、サーキュレーター、小型炊飯器などの家電製品が利用可能となる点を紹介していた。

Image : アウトドアの使用シーン

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