工夫すれば自動ラベル付けシステムにもなる
Bluesky、運営とユーザー個人が協力可能なモデレーションの仕組み「Ozone」を発表
Twitter代替SNSのひとつとしてユーザーの支持を集めるBlueskyは、ユーザーが開発者と協力して独自のモデレーションを実行可能なシステム「Ozone」を週内にも導入すると発表した。
Blueskyは総ユーザー数が500万人を突破した。これは2月に招待制を解除して自由に登録が可能になってからこれまでに、約200万人がこのSNSに新規登録したことを意味する。
アプリにシームレスに統合された、独自の独立したモデレーション サービスを実行できる機能だという新しいモデレーションのしくみは、Blueskyがカスタムフィードアルゴリズムを導入したのと同様の考え方に基づくものだ。
Ozoneを紹介するブログ記事の中で、Blueskyは「コミュニティが独自の規範と嗜好を持つ独自の空間を創造する力を与える、モデレーションとオープンソースな安全ツールのエコシステム」を構築すると、その目標を掲げている。これは、Blueskyが求めるモデレーションの上に構築されるものだ。
Blueskyはこの仕組みを以下の3つの原則に従って運営していくと説明している。
・シンプルで強力
・ユーザーの選択
・オープン性
まず最初の「シンプルで強力」というのは、内部のカスタマイズオプションでユーザーが好みに合わせた快適なデフォルトのエクスペリエンスを用意することを指す。つづく「ユーザーの選択」は、ユーザーやコミュニティが独自のモデレーションシステムを構築可能とすることだ。そして「オープン性」は、デジタル空間におけるガバナンスへの信頼を高めるため、オープンなシステムを構築することを指している。
わかりやすくいえば、基本的なモデレーションはBlueskyが提供し、その上にユーザーやコミュニティがOzoneを用い、方向性に合った独自のモデレーションを作っていくといった感じになる。これは実際には、不適切な投稿に対するラベル付与システムのようなものになるようだ。
たとえば、蜘蛛の画像をブロックするモデレーションを作った場合、Blueskyに投稿される数々の画像の中に毒々しい蜘蛛がみつかったとき、Ozoneによって「表示」「警告」「非表示」といった選択肢が用意され、ラベル付けを行うことで、以後はその画像はラベルによって選択した表示方法に従うといった具合だ。
Blueskyは、まず今週、このシステムの第1段階として独立したモデレーションフィルターをデスクトップ版に提供するという(モバイル版はやや遅れて導入となる)。そして今後数週のあいだに、より多くのユーザー(開発者やグループ)が、この機能を使って多くのモデレーションに関するオプションが提供され、利用できるようになっていくと考えられる。
ちなみに、BlueskyはATプロトコルによる分散型SNSのスタイルを採用しているため、サードパーティが独自にサーバーを立てて運用することもできる。この場合、独自のサーバーのモデレーション権限はサーバー所有者が決定できるため、(それが安全な運用方法かはともかく)Blueskyによるモデレーションの仕組みを完全にオフにすることもできる。