サムスンのGalaxy Ring対抗とは考えにくい?
アップルも「スマートリング」開発中と報じられる
サムスンは今年初めの新製品発表イベントで、指輪型の新デバイス「Galaxy Ring」を予告していた。公式には「未来の健康のあり方を変えるヘルス&ウェルネス機器」以上の情報は明かしていないが、いわゆるスマートリングである。
それに続き、アップルもスマートリング「Apple Ring」の開発を加速していると韓国の電子業界誌ETNewsが報じている。
今回の情報源は「商品化のための先行開発が差し迫っていると見られる」と述べるのみで、それ以上の詳細は不明だ。
とはいえ、アップルがかなり以前からスマートリング技術を研究開発してきたことは事実だろう。同社はかなり以前から関連する特許を申請・取得しており、それは2015年にまで遡る。
当時USPTO(米特許商標庁)が公開した「指輪型コンピューティング・デバイスのための装置および方法」では、音声、モーション、タッチ入力により大型の機器をインタラクティブに操作できる指輪型ウェアラブルにつき説明している。もっとも、心拍数モニタリングや電磁誘導充電など、「小型化したApple Watch」の趣も強かった。
また、2023年4月には「肌と肌の接触検出」に関する特許を取得。これには親指と他の指が触れあうなどのジェスチャーも含まれ、「同じ手の複数の指、または異なる手の指にある装置(例えば指輪)を使って検出する装置」という記述もあった。
さらに同年11月にはスマートリングに関連の特許を取得。こちらはNFCを内蔵して他の機器を制御できる技術であり、iPhoneやiPad、Apple Vision Proとの連携が推測されていた。
ほか噂レベルであれば、10年以上前から「iRing」の話も何度か囁かれていたことがある。時期的に考えれば、正式発表前のApple Watchと混同されていた可能性があるだろう。
さてETNews報道に戻ると、サムスンは7月後半のUnpacked(新製品発表)イベントでGalaxy Ringを公開するとのこと。血流測定と心電図機能を搭載し、健康・睡眠を追跡・測定したり、他の機器の遠隔制御や非接触決済もサポート。サイズは8種類に細分化して発売する見通しだと主張している。
アップルは常に独自のタイムスケジュールで動いており、サムスンの動きが影響を与えるとは考えにくい。が、少なくとも興味を示し、研究開発に一定の額を投資していることは特許からも明らかだ。信頼性の高いアナリストやリーカーらが、何らかの根拠に基づく(サプライチェーン情報など)発信をすることを待ちたいところだ。