ただし重すぎて目が疲れる
マイクロソフト幹部、Apple Vision Proを飛行機内で使う素晴らしさを語る
アップルの空間コンピュータ「Apple Vision Pro」が誇る新機能の1つは、飛行機に搭乗中に使える「トラベルモード」だ。様々なセンサーを使って周囲の環境を確認することで、視界内のアイテムを安定させるというもの。米国で購入して日本に持ち帰ったユーザーらもさっそく利用して、口々に称賛している。
米マイクロソフト幹部もVision Proをかぶり、退屈な機内がエンターテイメントの楽園に変わった感動を語っている。
Microsoft Wordの責任者であるオマル・シャヒーン氏は、シアトルからドバイまで16時間に及ぶ長旅のなか、Vision Proを着用。エミレーツ航空ボーイング777型機のビジネスクラスはさほど広い座席ではないが、「機内全体が画面になった」とThreadsに投稿している。
シャヒーン氏はVision Proを機内Wi-Fiに接続。広々とした映画を見たり、ウェブを見た体験を「コレはワイルドだ!」と表現。また「私の77インチ有機ELテレビ、レシーバー、スピーカー、Apple TV(の合計)よりも安く、はるかに優れており、より高性能で、より楽しい。そして、どこにでも持っていくことができる」とも述べている。
さらにVision Proから見たビジネスクラス向けラウンジ(地上)の写真も公開。なぜかVision Pro本体が写り込んでいるため混乱しそうではあるが、目の前のウィンドウがAR空間であることを示している。
ただしシャヒーン氏は、Vision Proを手放しで褒めているわけではない。それほど快適に装着できるとは思えず、重過ぎ、そして目が疲れる。macOSからvisionOSへのコピー&ペーストもできず、パスワードの入力も難しい。また、Magic Keyboardとの相性は抜群だが、Magic Trackpadは感覚がつかみにくく使いづらいと示唆している。
それでも、長い空の旅に持って行くには、今のところVision Proは最高のパートナーになりそうだ。一般的に動く乗り物のなかで、ユーザーの動きや位置を認識して映像を現実と重ね合わせるARデバイスは正常な動作が難しい。たとえばMeta Quest 3を離陸する飛行機内で使おうとすると、メニュー画面が「飛んでいく」との報告もあった。
この動画に対して、MetaのCTOであるアンドリュー・ボズワース氏も反応。「我々はヘッドセットの動きに対してオブジェクトの定位を保つのにIMU(慣性計測ユニット)を使っているが、そのため乗り物が移動するときは(どの方向に加速する場合であれ)動作が困難になる」として「現在、(改善に)取り組んでいる」とコメントしている。
高価格という点ではハンデを背負うVision Proだが、少なくとも「あらゆる乗り物内をエンタメ空間に変えられる」点においては圧倒的にリードしていると言えそうだ。