アップルの支払いシステムを引き続き利用可能とする条件も

アップル、App Store「外部決済」を米国で許可。ただし手数料は徴収

アップルは、最高裁判所がApp Storeの手数料に関するEpic Gamesとの独占禁止法紛争の心理請求を却下するという結果を受け、訴訟の大部分でEpicの要求を下した。

しかし裁判所は、Appleが開発者からApp Strore経由以外での支払い方法をユーザーに案内することを禁じるという行為については、是正しなければならないとアップルに通告した。

これに対応する格好で、アップルは1月16日より米国内のApp Storeガイドラインを改訂し、開発者がApp Storeや従来のアプリ内購入のしくみを迂回し、外部の決済プラットフォームにリンクする方法を明確化している

ただし、外部購入リンクに関するサポートページによると、アプリから外部決済プラットフォームを利用する場合も、アップルは支払金額から手数料を請求すると規定されている。これは、開発者がApp Store Small Business Programのメンバーである場合は12%だが、そうでない開発者のアプリの場合は支払金額の27%をアップルが徴収することになる。

この手数料は、「ユーザーが外部購入リンクをタップし、外部ウェブサイトに移動してから7日以内に行われた購入」に適用される。またアップルは手数料を確実に徴収するため、開発者に対し定期的にアプリ外購入に関する会計報告を提出することを義務づけ、それをもとに開発者の会計を監査して手数料義務の順守を確認し、利息を請求して支払いを相殺する権利を保持するとした。

こうした変更は、App Storeに対するEpic Gamesの法的異議申し立てによって実現された、最も具体的な結果と言えるだろう。

しかし、Epicのティム・スウィーニーCEOは「アップルはウェブでの購入に対して、反競争的な新たな27%の税金を導入した。Appleはこれまでこんなことをしたことがなく、価格競争を台無しにするものだ」と非難している。

一方、アップルは裁判所に提出した書類で今回の措置において、どのようにを判決を遵守しているかを説明している。またCNBCは、アップルが開発者に送信したメールで、独自の課金システムを導入した場合に生じるかもしれないリスクと、それによって発生したトラブルにおいてアップルは顧客サポートを提供せず、開発者が独自に対応しなければならないと警告したと伝えている

Epic Gamesは、人気ゲームアプリ『Fortnite』に、App Storeを迂回する独自の支払いの仕組みを導入。それは当時のApp Store利用規程違反であったため、アップルはすぐにApp Storeから『Fortnite』を削除した。

しかしEpicは、iPhone向けに独自のアプリストアの導入を可能にすることと、アプリを通じてユーザーに課金する方法に関することなどの制限の解除を求めて、裁判を起こしていた。

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