極から極の走破はあらゆる種類の自動車で初のこと

冒険家が北極点から南極点まで約2.7万kmを走破。電気自動車の日産アリアで

Image:Nissan

スコットランドの冒険家クリス・ラムゼイとジュリー・ラムゼイ夫妻は、「Pole To Pole EV」と題した北極点から南極点を目指す冒険にチャレンジし、12月15日に見事完走を果たした。

ラムゼイ夫妻は、今年3月に北極圏をスタートした。このチャレンジのために用意された日産アリアe-4ORCEは、各部に必要な補強を施し、39インチという特別な大径タイヤを装着している。一方、ギアボックスやサスペンションはノーマルのままだが、大径タイヤのために車高は高い。

夫妻は、北極や南極での宿泊時には、クルマの底面やラジエーターが冷えすぎないよう、周囲に雪の壁を構築して保温したり、風が弱いときは専用のテントを使用した。

また、電源のない場所を走破するため、天候状況に応じて5kWの風力発電機やカスタム製作の太陽光発電システムを利用してアリアを充電したとのこと。特に南極では時期的に日が沈まなかったため、太陽光発電が有効だった。

もちろん、それだけでは電力を補えないケースもあり、そのような場合は可搬式のガソリン発電機を使用したり、より大容量のディーゼル発電機を積む支援車両も活用した。

行程上、このチャレンジはスタート直後とゴール直前が最も厳しい環境になる。実際、最初期には氷が溶けると通行できなくなる、氷でできた道路を走行するシーンが見られた。そして、チャレンジの成功には、南極が「暖かい」季節であるうちに、そこへ到達できるかどうかにすべてがかかっていた。冬期の南極の極限状態は非常に厳しく、その時期の探検は許可されていないからだ。

なお、南極点は標高2835mという高地にあり、その分酸素も薄いことから、エンジン車は出力が落ちて走行性能が低下します。一方、電気自動車には酸素の薄さは影響しないため、旅の最後はサポート車両よりもチャレンジカーのほうが快調に走行することができ、見事15日に完走を果たすことができたという。

Image:Nissan

ちなみに、夫妻は2017年にはEVでモンゴルラリーを完走した初の選手になっている。このときは日産リーフを改造した車両を使っての出場で、航続距離約144kmのリーフは56日をかけて約1万6000kmを走破した。

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