急成長しつつあるThreadsにメリットあり?

Threads、Mastodonなど分散型SNSと相互乗り入れテスト開始

Image:ActivityPub/Shutterstock.com

Metaのマーク・ザッカーバーグCEOは、Mastodonなど分散型SNSと相互乗り入れ可能にするテストをThreadsで始めると発表した。これらFediverse(分散型SNS)が使うActivityPubプロトコルを通じたものだ。

ザッカーバーグ氏はThreadsでの投稿にて、これを発表。「Threadsを相互運用可能にすることで、人々はやり取りする方法の選択肢が増え、より多くの人々にコンテンツが届くようになる」と付け加えている。

具体的には、Threadsの投稿がMastodonやPixelfield、その他ActivityPubを採用したサービスで表示可能になることを意味している。

ThreadsはこれまでのX(旧Twitter)やFacebook、Instagramと同じく、特定のサーバーに管理権限を持たせる中央集権的なモデルを採用している。これに対して分散型SNSは、複数のサーバーに管理権限を分散させ、それらをActivityPub等のプロトコルにより連結させる形態である。

今のところThreadsとActivityPubの統合が、この「テスト」を超えた範囲に拡大されるのか不明だ。また、あくまでThreadsからMastodonへの投稿ができるだけで、その逆はできない。Threadsだけが恩恵を受ける、一方通行だと指摘するユーザーもいる。

これに対してInstagram責任者のアダム・モッセーリ氏は、「時間が必要だ。ActivitypubクライアントからThreadsユーザーをフォローする機能から始めているが、ActivitypubサーバーからThreadアカウントをフォローする機能も実装する予定だ」と述べている。

最終的にActivityPubにフル対応すれば、MastodonからThreadsへの投稿も可能になるはずだ。さらに理想型は、Threads、Mastodon、その他のActivityPub対応プラットフォーム間でのアカウント移動が可能となることだろう。

もともとThreadsは今年7月の発表当時から、ActivityPubへの対応を謳っていた。だが、それはテキストベースSNSとしてXを後追いする立場として、より多くのSNSと連携してユーザーを取り込む意図も含まれていた可能性がある。

その後Threadsは月間アクティブユーザーを順調に増やし、一時は失速しながらも、10月には1億人弱を達成。さらにXが「Twitter」のブランドを捨てる失策にも助けられ、アプリの新規ダウンロード数も急増していた

そうした事情からThreadsがActivitypub対応を撤回する可能性を危ぶむ声もあったが、「テスト」とはいえ始まったかたちだ。この動きがどこまで本気なのか、単なるポーズなのか、今後の展開を守りたいところだ。

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