ARとVRの両方を包含するなにか…ってなに
Amazonが「まったく新しいXR/ARデバイス」を開発へ。関連する人材を募集中
米Amazonが、「XR」と称する技術を何らかの格好で使用する「まったく新しいスマートホーム製品」を開発するための人材を募集する求人広告を出している。XRというワードは「ARとVRの両方を併せ持つ」という意味の業界用語で、どうやら拡張現実(Argumented Reality)に関する製品を作ろうとしているようだ。
テクノロジー関連の話題を扱うウェブメディアProtocolによると、Amazonが募集している職種はコンピューター・ビジョン・サイエンティストからデザイナー、プログラム・マネージャー、プロダクト・マネージャー、研究者、科学技術者と多岐にわたる。
Amazonはそれぞれの職種が具体的にどんな仕事をするかまでは述べていない。しかしそれが消費者向けであること、AI(人工知能)とML(機械学習)、ロボティクス、ゲームといった各分野での技術的な経験を有する人材を集めて「まったく新しいスマートホーム製品のために必要な主要ソフトウェアとアーキテクチャの考案と開発」を行い、「初期プロトタイプから大量生産にいたるまでのコード開発」を含む「新しいクロスファンクショナル(部門間協力)チーム」に属するということは募集内容に記されている。
これまでにもAmazonは突飛な発想の製品を生み出してきた実績がある。いまやどこにでもあるスマートスピーカーだが、「Amazon Echo」は発売当初、かなり斬新な製品だった。2021年には米国で「Astro」と称する家庭用ロボットも発表している。
しかし、Googleやマイクロソフト、Meta(Oculus)といったIT巨人たちが開発を競い、Appleが製品を開発をしていることも公然の秘密状態になっている、VRおよびAR分野のハードウェアに関しては、Amazonはこれまで積極的ではなかった。「Echo Frames」と呼ばれるメガネ型デバイスはあるが、それはメガネにEchoスピーカーを合体させたようなものであり、視覚的な何らかの効果を伴わない代物だった。
とはいえAmazonは、10年ほど前にはAR/VR関連の特許を多数出願していたとProtocolは伝えている。ただ当時は技術的に実現が難しい内容の特許で、コンセプト以上のものにはならなかった。
Amazonはこの3月、かつてARヘッドセットを開発していたスタートアップ「Meta(Facebookの現親会社とは異なる)」で、デザイナーを務め、GoogleでAR関連技術の開発に携わった経験を持つKharis O’Connellを迎え入れ、Futures Designグループを立ち上げており、今回新しく募集している人材も、もしかしたらこのグループに加わるか、深く関わるポジションに就くのかもしれない。