未来の技術が少しずつ現実に
カリフォルニア州、WaymoとCruiseの無人ロボタクシーによる24時間体制での有料サービス提供を許可
カリフォルニア州は自動運転車を使用しロボットタクシーの試験を行って来たGoogleのWaymoと、GMのCruiseに対して、乗客に運賃を請求する営業走行の開始を承認した。
これまでは行われてきたテスト走行では、カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)が市内の公道を使ったテスト走行を許可し、運転手としてオペレーターが同乗している場合にのみ、乗客に料金を請求することができた(Cruiseは日中、10~18時の間は無人でも料金請求が許可されていた)。今回両社に与えられた承認の内容では、無人走行における商業サービスの展開も許可範囲に含まれる。
新たな許可では、両社とも昼夜を問わず市内全域で無人ロボタクシーを運行でき、乗客への料金請求も可能になっている。
CPUC委員のジョン・レイノルズ氏は、「前例がないため、自動運転車を人間の運転手と比較することはできないものの、この技術が潜在的に道路上での安全性を向上することを信じている。業界と第一線の対応コミュニティとの協力は、この革新的な技術で発生する問題を解決する際に重要になるだろう」と述べた。
周辺地域の住民の一部には、WaymoおよびCruiseのロボタクシー計画を承認することに反対する意見もあった。たとえば、上手く走行できずに渋滞を引きおこしたり、巨大企業による情報の悪用、自動運転車が走る監視カメラのように法執行機関の道具になるのではとの懸念などが、CPUCには寄せられていたという。また、サンフランシスコ市のいくつかの公的機関も、今回の許可には難色を示していた。
ただ、障害者に関する活動家などからはロボタクシーの普及を望む声もあり、CPUCは両社の乗客安全計画が満足できる者と判断して許可を与えることにした。
Cruiseの政府業務担当VPのPrashanthi Raman氏は「サンフランシスコ全域で24時間体制の無人ロボタクシーサービス提供許可が下りたことは、重要な節目の出来事だ。これによって、Cruiseは従来の送迎サービスなどと競争し、安全で利用しやすい人員輸送の提供に挑戦することになる」と述べている。
一方、WaymoのTekedra Mawakana共同CEOも、「この許可は、サンフランシスコでの営業走行が真に開始されることを意味している。CPUCから信頼を得たことに常に感謝しており、我々のサービスを支援してくれたコミュニティと乗客にも感謝している。サンフランシスコにおけるさらに多くの住民たちが、ボタンを1つ押すだけで自動運転のモビリティ、安全性、持続可能性、アクセシビリティの利点を体験できるときを楽しみにしている」とした。
- Source: CPUC(1) (2, PDF) (3, PDF)
- via: Ars Technica