業績評価や給与に差
『ポケモンGO』のNiantic、元従業員から「組織的な性差別」で告発される
以前にNiantic従業員だった匿名のアジア人女性が、このARゲーム開発企業に対し、女性および有色人種の女性の仕事を不当に低く評価し、他と同等の賃金水準にするのを拒否したとして訴えを起こした。
この元従業員女性は2020年2月にNianticで働き始め、当時の年俸は7万ドルだった。後に彼女は昇給して8万4000ドルを得るようになったが、2021年ごろには自分よりも下の役職の男性従業員が自分よりも多い年間12万7000ドルを受け取っていることを知ったのだそう。
女性が2023年春にさらに昇給して年額11万5000ドルを手にするようになったが、それはNianticが資料として公開している職種とそのレベルに応じた平均給与に比べて、1万ドル以上低いことが判明した。
この賃金格差がWolfpackと呼ばれる社内の女性従業員向けリソースグループ(ERGs)内で話題になり、社内の性差別と同一賃金に対する懸念が高まった。ただし懸念は増大したものの、Nianticで働く女性たちが、薄給で過小評価されてきた経験について「男性が女性よりも優遇され、評価されているということに集団的に同意しているようだった」と訴状には記されている。
元従業員は、この差別への懸念に対して社内のダイバーシティ関連相談窓口などに話を持ち込んだ。だが、男性ばかりで構成された会社上層部は、従業員からの性差別に関する苦情や懸念に対して敵対的な反応を示したとしている。
またその会議での報告は会社の重役にも伝わり、Nianticの最高マーケティング責任者であるMike Quigley氏はWolfpackのメンバーに対して、報告に記されたボーイズクラブという表現や、職場での性差別に関するコメントを削除するよう求めたという。そして、上層部の承認なしに従業員にアンケート調査することは許可されないと述べた。
問題が正される気配がなく、むしろ疑義を呈したことで他のWolfpackの女性従業員の業績評価に悪い影響があり、給与水準も低くなる可能性があると知った元従業員は、すぐにWolfpackから脱退したとのことだ。
元従業員によるこうした活動により、Niantic社は女性、特に有色人種の女性に対して「敵対的で攻撃的で抑圧的な労働環境を作り出した」ことがわかったと訴状は主張している。これはすべて、Nianticが人員削減を公に発表した6月29日以前のことであり、原告を含む従業員には解雇が通知されたとのことだ。
なお、Nianticはこの訴訟に関するコメントを出していない。
- Source: The Verge
- via: DotEsports