M3なしにはパワフルなiMac実現は厳しい?
大型の32インチiMacが「初期開発中」。24インチ新型は2024年初に発売?
アップルのディスプレイ一体型MacことiMacは、2021年に初代Appleシリコン「M1」搭載の24インチモデルが発売されて以来、新型が投入されていない。その後継モデルはM2世代をスキップして、次期「M3」チップを採用するとみられている。
それとは別に、アップルは32インチ前後のディスプレイを搭載したモデルを含む、より大型のiMac開発に取り組んでいると著名ジャーナリストが主張している。
アップルの未発表製品に詳しいBloombergのMark Gurman記者によると、これら大型iMacは開発の初期段階に留まっており、発売は2024年後半か、早くとも2025年内のどこかの時点になるという。
少し前にGurman氏は、「30インチ超のディスプレイ」を備えたiMacの開発が進んでいると述べていた。今回はより具体的に「32インチ」となったが、これはアップルの最上位ディスプレイ「Pro Display XDR」と同じサイズである。
2019年12月に発売されたPro Display XDRは218ppiもの画素密度(アップルは解像度よりも画素密度を強調するのが通例)を誇り、発売当時は529,800円(税別)だったが昨年6月には582,780円に引き上げられている。仮に32インチiMacが出るとすれば、価格もハイエンド級となりそうだ。
アップルはインテルベースの27インチ iMac/iMac Proともに販売終了しており、その穴を埋める大型ディスプレイ搭載のAppleシリコン版iMacを投入していない。代わりにMac Studioと27インチの外付けディスプレイStudio Displayを提供して省スペースを謳っているが、あくまで別々の単体製品であって「オールインワン」Macではない。
またGurman氏は、上記のM3搭載24インチiMacにつき、以前は「早ければ今年後半に登場」と述べていた。今回の記事では修正され、2024年初めまでには登場するとのことだ。
アップルがより大きなiMacの開発に取り組むことは理にかなっている。特にMacの需要が高いクリエイティブな仕事の現場では、編集中の画像の細部までよく見えたり、音楽制作やビデオ制作のタイムライン上で正確な編集を行いやすい大画面は欠かせない。
とはいえ、ディスプレイと一体型ゆえに筐体サイズに制限があるiMacでは、パワフルなチップを搭載することは熱容量的に厳しい。M3チップはTSMCの3nm技術により製造され、高性能化と省電力=発熱の低下を両立すると予想されるため、ハイエンドiMacには不可欠と言えそうだ。