さらなる発売延期もありうる?

「iPhone SE4」2025年に発売延期か。中国BOEが有機ELの品質満たせず

Image:Framesira/Shutterstock.com

アップルのiPhone廉価モデル第4世代、通称「iPhone SE4」は開発中止と再開の噂が相次ぎながらも、今のところ「発売予定が2024年から2025年に延期された」との予想に落ち着いている

新たにサプライチェーン筋からも同様の噂が伝えられているが、今回はアップルの自社開発チップとは関係なく、有機ELパネルのサプライヤーである中国BOEが品質基準を満たせないことが原因だという。

韓国の電子業界誌The Elecは、BOEがアップルに積極的に売り込み、iPhone SE4向け有機ELパネルを納品することが有力だったものの「性能問題」でサプライヤーが不確定になった(白紙に近くなった)と報じている。要は出荷台数が1500万~2000万台と予想されるiPhone SE4に必要な有機ELパネルを確保できる見通しが立たなくなった、ということだ。

今回の記事は、市場調査会社UBIリサーチの発表に基づくものだ。それによればBOEは、次期「iPhone 15」シリーズ用の有機ELパネルでも品質問題に悩まされており、納品量は「ゼロ」に留まる可能性もあるという。とはいえ、サムスンとLGディスプレイがすべての受注を引き受けるとみられており、こちらの不安はないようだ。

今年3月にも、BOEはiPhone 15標準モデル向け有機ELパネルの初期受注を逃したため、iPhone SE4で巻き返しを図ると報じられていた。廉価モデル用だけに利幅も薄く、サムスンとLGが興味を示さなかったため、アップルもBOEに頼らざるを得ないとの事情も伝えられていた。

より具体的に言えば、iPhone SE4向け有機ELパネルはレガシー(旧)モデル用のLTPS(低温多結晶シリコン)TFT製品であり、6.1インチiPhone SE4用の価格は1枚あたり40ドル前後。それに対して最新のLTPO(低温多結晶酸化物)TFTを使う6.7インチiPhone 14 Pro Max用パネルの価格は100ドルを大きく超えているとのこと。廉価モデルiPhone SE4は、安い利幅でも引き受けるBOEありきだったのだろう。

そしてiPhone SE4向けサプライヤーが不透明となっているため、サムスンとLGがそれぞれのソリューションを提供する可能性があるという。前者はリジッド有機ELを、LGはフレキシブル有機ELを推していると伝えられているが、ディスプレイの仕様が変わることが発売時期にも影響するのかもしれない。

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