そのときどきで意見が変わるかも

GoogleのAIボットBardいわく「iOSはAndroidより優秀」

Image:H_Ko/Shutterstock.com

スマートフォンが普及して以来、ずっと変わらないのがiPhoneとAndroidスマートフォンによるライバル関係の構図だ。両者とも機能的には大差ないものの、日本国内ではスマートフォン市場の50%弱をiPhoneが占め、残りをAndroidスマートフォンを製造する各社が分け合っている

しかし、Googleが開発するAIチャットボットのBardは、同じ会社によるモバイルOSのAndroidよりも、iPhoneを駆動するiOSのほうがより優れると発言したと、南アフリカ共和国のアプリ開発者Junaid Abdurahman氏が報告している。

現在、Bardは世界の限られた国でしか提供されていないが、Abdurahman氏はVPNを通じてBardを利用しているようだ。そして、Bardのお気に入りのモバイルOSをたずねたところ、そのシンプルさと、セキュリティが堅牢であるという点を挙げて、理由を説明した。

Googleが鍛え上げたはずのAIが、Google製品よりライバルの方が優れていると述べるのは皮肉な話だが、その原因はどうやらこのAIの大規模言語モデルを強化する方法にあるのかもしれない。Googleはインターネットから大量のデータを取り込んでそれを使ってAIを強化しているが、Bardはそこで見つかったiOSおよびAndroidに関する意見やレビューを見比べ、ある種の荷重平均的な評価をしている可能性があると、ガジェットニュースサイトBGRは述べている

ただし、Bardは時折考えを改めるようで、この話題が広まって以降、Bardに同じ質問をしても、甲乙付けがたいと返答するようになったとの報告や、長所も短所もあるAndroidの方が良いと返答するようになったとBGRは付け加えた。そして、Bardにその返答の根拠となったソースを提示するよう求めてもエラーが出力されるばかりだったという。

一方、AppleInsiderが同じ質問をBardにぶつけたところ、それぞれの長所と短所のリストのあとに、優先すべき選択肢としてiOSに軍配を上げている。

ざっくりと言ってしまえば、iOSとAndroidの優劣はユーザーそれぞれにとって目的に適した機能があるかどうか、またその優劣で判断が分かれるだろう。たとえば、提供されるアプリの量を重視する人と質を求める人では意見が異なるはずだ。カメラアプリが備える機能の違いなどでも考えが変わることだろう。

そう考えると、AIにiOSとAndroidの優劣を尋ねたければ、ただ漠然と質問するのでなく、自分が求める機能に関して、その優劣を問うのが間違いのない方法かもしれない。

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