自動運転技術の窃盗は3件目

アップルの自動運転技術、3件目の窃盗が判明。盗んだ元従業員は中国に逃亡

Image:Sergey Nivens/Shutterstock.com

カリフォルニア州北部地区連邦裁判所が、2018年にアップルから自動運転システム用のソフトウェアおよびハードウェアに関する機密情報を持ち出し、中国へ逃亡した従業員Weibao Wangを起訴した。

Wang被告は2016年から2018年にかけてアップルに勤務していたが、アップルを退職する4か月前に、無名の中国企業の米国子会社からの依頼を受けて、アップルの機密情報を大量に持ち出し始めた。その間に「アップルの従業員13万5000人のうち2700人しかアクセスできない」とされる機密性の高い情報データベースへの「広範なアクセス」が確認されている。

今回の起訴状には「自動運転に関するすべてのソースコード」と、自動トラッキングシステム、自動運転システムの行動計画、そしてシステムを駆動するハードウェアに関する技術文書の窃盗または窃盗未遂に関する、6つの個別の罪状が記されている。

米国の捜査当局は2018年6月27日にWang被告の自宅を捜索、そこで盗み出された大量の機密データや専有データを発見した。当時、捜査官に対して逃亡する気はないと話していたWang被告だが、その日の夜のうちに中国に逃げ帰ってしまったという。

カリフォルニア州北部地区のイスマイル・ラムジー連邦検事は、現在も被告は中国に滞在しているとした上で、起訴によって有罪が確定し、身柄が米国へ引き渡された場合には、6つの罪状ごとに懲役10年と、さらに罰金として25万ドルが科される可能性があるとしている。

ちなみに、アップルの元従業員が中国に自動運転の機密情報を盗み出し、告訴に至った事例はこれが3件目。2018年には、Wang被告と同時期にアップルに勤務していたXiaolang Zhang被告が、アップルの自動車技術を盗んだとして、サンノゼ国際空港から逃亡を図った際に逮捕され、後に有罪を認めている。もうひとりは2019年に、やはり中国企業にアップルの自動運転技術を盗み出したJizhong Chen被告が逮捕されている。Chen被告は罪状を否認しており、係争中だ。

Wang被告は昨年、中国百度傘下の自動運転技術企業で吉利自動車も出資する集度汽車(Jidu Audo)が、中国IT企業として初の「ロボットカー」を開発したと発表した際に、この会社の自動運転技術開発部門の責任者として雇用されたことをReutersが伝えている

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