セガはモバイルでの存在感を高めたい

セガ、『アングリーバード』開発元Rovioを約7億ユーロ(約1038億円)で買収へ

Image:Rovio

セガが、『アングリーバード』で知られるフィンランドのゲームソフトメーカー、Rovioを買収すると発表した。この買収はRovioの発行済み株式とオプションのすべてを対象とするもので、提示額は7億600万ユーロ。日本円に換算すると約1038億円になる。

提示額は1株あたり9.25ユーロで見積もったものであり、これは発表前のRovio株の終値に比べて約19%上乗せした額だ。Rovioの取締役会はすでにこの取引を支持していると伝えられている。

Rovioのゲームアプリは累計50億回以上のダウンロード数を誇る。特に世界的ヒット作である『アングリーバード』関連のビジネスはマルチジャンルで展開され、映画などゲーム以外のエンターテインメント作品や消費者向けの製品にライセンスされている。

CNBCは、セガの思惑としてRovioの作品を通じてモバイルゲーム市場での存在感を高めたい考えがあると伝えており、セガは今後、自社が抱える豊富なゲームを、モバイル向けにも展開していくつもりのようだ。セガは発表において、Rovioが持つモバイルゲームプラットフォームのBeaconに、「20年にわたる欧米市場を中心としたモバイルゲーム運営のエキスパータイズ(専門知識や技術)が詰め込まれている」と述べている。

セガサミーグループの里見治紀CEOは、「急速に成長する世界のゲーム市場の中でも、モバイルゲーム市場は特に高い潜在力を秘めており、この分野での展開を加速させることがセガの長期的目標だった」と声明を発表している。そして「両社のブランド、キャラクター、ファンベース、そして企業文化や機能性を組み合わせることで、今後大きなシナジーが生まれると確信しています」とした。

一方、Rovioのアレクサンドル・ペルティエ・ノーマンドCEOは、アングリーバードの主人公キャラRedとセガのソニックは2つの非常に補完的な企業によって作成された、世界的に認知された象徴的な2つのキャラクターであり「モバイルとゲーム機およびPC、そしてそこから他分野に拡がる世界的なリーチを持っている」と、買収提案を歓迎するコメントを出している。

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